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令和3年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2021-03-17

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  1. 福岡県議会 2021-03-17
    令和3年度 予算特別委員会 本文 開催日: 2021-03-17


    取得元: 福岡県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-08
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1    令和三年三月十七日(水曜日)    午 前 十 一 時 零 分 開 議 ◯栗原 渉委員長 おはようございます。定足数に達しておりますので、ただいまから委員会を開きます。  本日は、令和三年度福岡県一般会計予算歳出、第七款商工費及び第八款県土整備費の審査を予定いたしております。よろしくお願いします。  それでは、第七款商工費について説明を求めます。岩永商工部長。 2 ◯岩永商工部長 それでは、第二号議案「令和三年度福岡県一般会計予算」のうち、商工部所管分について御説明申し上げます。  恐れ入ります、お手元の令和三年度予算に関する説明書の二百八十一ページをお願いいたします。七款商工費について御説明を申し上げます。  一項商業費でございます。その主なものは、一目商業総務費のうち、右の説明欄の中ほどの中小企業振興資金融資費でございます。これは制度融資の預託金などでございます。  恐れ入ります、二百八十五ページをお願いいたします。一項商業費の総額でございます。合計欄に記載しておりますとおり、三千六百五十五億九千二百万円余をお願いしております。  次に、二項工鉱業費でございます。二百九十二ページをお願いいたします。その主なものは、七目企業立地対策費でございます。これは企業立地交付金などでございます。二項工鉱業費の総額につきましては、五十七億五千四百万円余をお願いしております。  下のページに移りまして、三項観光費でございます。その主なものは、一目観光費のうち、右の説明欄の上から三番目、観光宣伝費で、これは観光プロモーションに要する経費などでございます。三項観光費の総額は、二十二億九千八百万円余をお願いしております。  説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 3 ◯栗原 渉委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。平井一三委員。 4 ◯平井一三委員 おはようございます。自民党県議団の平井一三であります。  通告に従いまして、水素エネルギー関連産業への取組について質問をいたします。  二〇五〇年カーボンニュートラル脱炭素社会の実現のためには、再生可能エネルギーのさらなる導入が不可欠であります。委員会初日、総務部エネルギー政策室に対しまして、カーボンニュートラル実現に向けた県のエネルギー政策についてと題して、主に太陽光発電に関する質問を行いました。再生可能エネルギー分野における水素エネルギーの占める割合は、現状では非常にごく僅かで、我々の身近なエネルギーとして感じられる域には達していないと思われます。しかし、最近トヨタの燃料電池車FCV、MIRAIの新型がテレビで取り上げられ、また、大量の水素を海外から輸入する計画についてマスコミ報道があるなど、水素に関する話題が多くなっています。今後の水素エネルギー利用の拡大が期待されるところであります。  水素は、製造、貯蔵、運搬、供給、消費を行う中で今後も多様な産業が生まれる可能性が高く、裾野も大変広いと考えられるところであります。今回の質問は、水素利用の可能性、今後の参入が見込まれる水素産業分野、県内企業の参入機会、私は、県内企業の成長に結びついていくことが非常に大事だろうと思っております。そして、県内企業が発展していくための県の役割について、今から質問したいと思うところであります。  それでは、まず、再生可能エネルギー分野における水素の位置づけと、その比率はどの程度かをお聞きいたします。 5 ◯栗原 渉委員長 見雪新産業振興課長
    6 ◯見雪新産業振興課長 再エネ分野における水素の位置づけについてであります。水素は、水を電気分解すればつくることができ、また、空気中の酸素と化学反応させれば、必要なときに電気として利用することができます。この原理を活用すれば、水素を、言わば蓄電池のように活用することが可能です。しかも蓄電池よりも大規模かつ長期間電力を貯蔵できることから、再エネ余剰電力を活用する手段として注目を集めております。  電源構成における水素の比率については、国において、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けた議論の中で、水素とアンモニアで発電電力量の約一割を賄う方向で検討が行われる予定でございます。 7 ◯平井一三委員 水素とアンモニアで発電電力量の約一割を担うという方向で検討が行われるということであります。今後、水素が再生エネルギー分野で大変大きな役割を担っていくことが期待されると思います。  このような中で、県がこれまで力を入れてこられた燃料電池自動車FCVの普及の見通しと、そして、車以外での燃料電池システムの利用分野について、県はどのような見解を持っておられるのかお聞きしたいと思います。 8 ◯栗原 渉委員長 田中自動車産業振興室長。 9 ◯田中自動車産業振興室長 FCVにつきましては、国において、二〇三〇年までに八十万台程度とする普及目標が掲げられておりまして、昨年十二月には、トヨタ自動車から六年ぶりとなる新型のFCVが発売をされました。量産体制の整備によりまして、生産能力も十倍に強化されております。また、国は、二〇五〇年のカーボンニュートラルの実現に向けまして、自動車の電動化を推進するとの方針を示しております。こうしたことからも、電動車の一つでもありますFCVは今後普及が進むものと考えております。  委員からお話がございました燃料電池システム、これはトヨタ自動車が開発したFCモジュールかと思いますけれども、これは様々な業界でのニーズを踏まえまして、FCスタックや水素供給、電力制御などの燃料電池システムをパッケージしたものでございまして、今後、乗用車以外のトラックやバス、鉄道、船舶などのモビリティーや定置式発電機など様々な用途で利用される可能性があるものと考えております。 10 ◯平井一三委員 水素燃料電池としての利用は今後拡大すると思われますけれども、それだけでは水素の利用は限られてくると思っております。水素の利用につきましては、水素燃料電池による発電と直接燃焼する利用方法がありますけれども、それぞれどのような具体例があるかお聞きするのと、また、そのほかにどのような産業分野での利用が見込まれるかをお聞きしたいと思います。 11 ◯見雪新産業振興課長 燃料電池による利用は、自動車、小型船舶、建設機械や農業機械の動力のほか、工場や商業施設の電力や熱源として期待されております。燃料としての利用につきましては、火力発電所で使用されている石油や石炭の代替燃料、あるいは航空機、大型船舶への利用が期待されております。このほか、製鉄の工程で大量に使われるコークスの代替など、産業分野での水素活用に向け技術開発が、今、進められているところであります。 12 ◯平井一三委員 今、説明いただきましたように、水素の利用範囲は非常に大きいと思われます。水素は、製造、貯蔵、輸送、そして供給、それぞれのプロセスを経て消費に至っていくわけでありますけれども、それぞれどのような方法があるのかをお聞きしたいと思います。  そして、これまで水素ステーションを進めてこられましたけれども、その動向についても併せて御説明をお願いします。 13 ◯見雪新産業振興課長 水素の製造につきましては、現在の主流である天然ガスなど化石燃料からの製造のほか、ごみや下水汚泥といったバイオマス、製鉄の工程で副産物として発生する副生水素、そして再エネ余剰電力による水の電気分解など多様な方法がございます。  貯蔵、輸送につきましては、高圧ガスにする方法や、マイナス二百五十三度で液化水素にする方法、あるいは水素と窒素を結合させてアンモニアにする方法、水素を吸収する金属、水素吸蔵合金を活用する方法がございます。  供給につきましては、水素ステーションのほか、パイプラインを通じた供給も検討されておりまして、現在、社会実証が行われているところであります。  水素ステーションについては、全国では、本年二月末現在で百三十八か所が開設しております。現在整備中のものを含めると百六十三か所となり、その数は、二〇二〇年度に百六十か所という国の目標を上回っております。このうち、県内には西日本初となる県庁内ステーションや、昨年三月に久留米市に開設した県南地域初の水素ステーションなど十一か所が開設しておりまして、全国四位と、着実に整備が進んできております。 14 ◯平井一三委員 水素の利用が今後増えていくためには、やはりコストが大事だろうと思います。コストが下がらなければ、なかなか利用も増えないということで、今後補助金が入らなくても採算が取れるような、そのようなコストになってほしいなと思っているところでありますけれども、そのためには水素の需要の拡大が必要だと思っています。今後の見込みについて、どのように考えておられるのかお聞きしたいと思います。 15 ◯見雪新産業振興課長 水素はカーボンニュートラルキーテクノロジーと位置づけられておりまして、製造や貯蔵、輸送など、それぞれの分野での研究開発が求められております。国においては、こうした技術革新を支援し、水素コストの低減を加速させる考えでして、二〇五〇年までに水素コストを一ノルマル立方メートル当たり、現在の百円から二十円へと、五分の一以下にする数値目標を設定しております。  技術革新と低コスト化が進めば、発電や製鉄などの産業分野、あるいはトラックなどの運輸分野での水素導入が進み、水素需要は大きく拡大していくのではないかと考えております。 16 ◯平井一三委員 水素の利用も見込まれまして、コストも五分の一程度を目指すということであります。  しかし、今度は水素の利用が拡大していけば、国内で製造する水素だけでは不足する、そのような事態も考えられます。先日の新聞報道では、海外からの輸入も計画されているということでありますけれども、どのような状況かということをお聞きしたいと思います。 17 ◯見雪新産業振興課長 水素の利用が拡大すれば、大量の水素を安定的に供給することが必要になります。このため、国においては、海外の安価な未利用エネルギーから水素を大規模調達する国際水素サプライチェーンの構築を目指しているところであります。  具体例を御紹介いたしますと、エネルギー含有量が少なく、ほとんど利用されていないオーストラリアの褐炭から水素を製造し、液化水素に換え、これを日本に船舶で輸送する国際実証プロジェクトが進められております。今年夏には運搬船による水素輸送が開始される予定と聞いております。 18 ◯平井一三委員 今後、水素をより便利に、効率的に利用していくためには、水素関連のインフラの整備が非常に重要であると私は思っていますけれども、県はどのような役割を果たしていかれるのかお聞きしたいと思います。 19 ◯田中自動車産業振興室長 県では、重要なインフラであります水素ステーションの整備を促進するため、民間事業者に対し、候補地の紹介から地権者との交渉までの一貫したサービスを行うほか、整備費に対する助成を行っております。また、水素ステーションのコスト低減につながる規制見直しや先端的な技術開発を着実に進めていくよう、毎年国に対して提言を行っております。  今後さらなる整備を進めるためには、水素需要の拡大が不可欠であります。このため、来年度は安定的かつ大量に水素を消費する商用FCトラックの市場化や普及に向けまして、県内の運送事業者に、実際に利便性や実用性を体感していただくFCトラックの輸送実証事業を実施したいと考えております。 20 ◯平井一三委員 自動車関連のインフラとして、水素ステーションの整備が当面の課題であるということは分かりましたし、県もしっかりと取り組んでいかれるということでありますけれども、今後、水素の利用が拡大をしていくためには自動車以外の利用も増えていかなければならないと思っています。そのためのインフラ整備が新しいビジネスにつながっていければなと私は思っているところであります。  ここまで水素関連産業の現状、今後の展開、県の取組などについてお聞きいたしましたけれども、水素関連のビジネスが地元企業のビジネスにつながっていって、福岡県の産業振興を果たしていくことが大変大事だろうと思っています。  そこで、お聞きをしたいと思いますけれども、地元企業の参入分野はどのようなものがあるのか。そして、現在の水素関連産業への県内企業の参入の状況、さらには、特に中小企業の現状ですね、福岡県の大半を占める中小企業がどのような参入状況にあるのかということも併せてお聞きしたいと思います。 21 ◯見雪新産業振興課長 委員から冒頭に御紹介がありましたように、水素関連産業は裾野が広うございます。新市場を創出する次世代の産業分野として期待されることから、本県では、この分野への県内企業の参入を支援してまいりました。これまでの取組により、県内企業の参入は着実に進んでおります。今、二十八件の製品化が実現しております。また、このうち中小企業によるものは二十三件となっております。  具体的には、水素製造分野では、エネファームの水素製造部の部品、水素輸送貯蔵分野では、高圧水素タンク用の耐久性の高いゴムや金属のパッキン、水素供給・利用分野では、水素ステーションの配管部品や燃料電池車FCVの水素充填部の部品などがございます。 22 ◯平井一三委員 これまで県は、県内企業の技術開発や参入支援を行ってこられた、その実績も上がってきているという説明が今ありました。水素エネルギーは、今後の脱炭素社会の実現を図っていく上で大変重要な役割を担っていくと考えております。このような中で、県内企業が水素関連の産業分野で成長し、県の発展につながっていくことが目指すべきゴールの一つであると考えております。このためには、企業の技術力の向上と参入機会の確保が非常に重要であると考えておりますけれども、県の取組についてお聞かせください。 23 ◯見雪新産業振興課長 県では、オールジャパン水素関連メーカーや大学などが参画し、産学官で設立しました福岡水素エネルギー戦略会議を中核に、水素関連産業の振興に取り組んでおります。  県内企業に対しましては、メーカーとの連携による製品や部品に関する研究会の開催、あるいは技術アドバイザー工業技術センターによる技術支援、新製品開発への助成、そして大型展示会への出展支援やメーカーへの技術提案会の開催などの支援を行っております。  また、来年度からは企業への開発助成の拡充を行い、水素分野への参入を一層促したいと思っております。今後とも啓発から技術開発、製品開発、そして販路拡大まで、一貫した支援に取り組んでまいりたいと思います。 24 ◯平井一三委員 ここまで水素エネルギー関連のいろんな取組について御説明をいただきましたけれども、この技術というのは水素だけにとどまらず、いろいろな波及効果も非常に大きいであろうと思っております。地元企業にとっては多くのビジネスチャンスにつながっていると期待されるところであります。そのような中で、県の役割は今後もますます大きくなっていくと思いますので、今後もしっかりと支援をしていただくようにお願いをしておきたいと思います。  そして、最後に、水素エネルギー関連産業の振興について、部長の決意をお聞きしたいと思います。 25 ◯栗原 渉委員長 岩永商工部長。 26 ◯岩永商工部長 水素産業の振興についてでございます。委員御指摘がございましたとおり、水素を活用していくということは、カーボンニュートラルを実現していくためにも非常に重要なことであると考えているところでございます。本県は、これまで全国に先駆けまして、様々な水素産業支援の取組を行ってきたところでございます。その結果といたしまして、県内の中小企業もかなり参入が進んできたと認識をしているところでございます。  さらに今年度からは、響灘地区におきまして、再生可能エネルギーから水素を作って、そして、それを県内各地に運んでいって、そこで消費いただく、こういった取組も今進めているところでございます。このような取組を今後も強力に進めていくことによりまして、水素産業のさらなる振興を図ってまいりたいと考えているところでございます。 27 ◯平井一三委員 今後ともよろしくお願いをいたします。終わります。(拍手) 28 ◯栗原 渉委員長 ほかに質疑はありませんか。後藤香織委員。 29 ◯後藤香織委員 民主県政クラブ県議団の後藤香織です。  宇宙ビジネスには、宇宙利用分野、ロケットや衛星を製造する宇宙製造、インフラ分野、月面探索などの宇宙探索分野などがあります。宇宙ビジネスと言えば夢物語のように聞こえるかもしれませんが、天気予報などの地球観測、インターネットなどの通信サービス、GPSなどの測位サービスなど、今や私たちの生活には宇宙利用が欠かせないものとなっています。  宇宙探査の分野で言えば、人類の生活領域を広げる計画も進んでいます。NASAは、二〇二八年までに月面基地の建設を開始するアルテミス計画を立てており、二〇五〇年には月面に百名が住んでいるだろうとも言われています。この計画にはJAXAも参画をしています。また、先月、二月十八日には火星探査車が着陸し、過去に生命体が存在したか、火星で酸素を作るテストなどのミッションを行う予定です。日本においても、自衛隊の宇宙作戦隊の創設や、JAXAが十三年ぶりに宇宙飛行士を募集するなど関心が高まっています。また、私自身も大学で宇宙物理学を専攻しておりまして、大変注目をしているところです。  そこで、今回は本県における宇宙ビジネスの振興についてお聞きをいたします。来年度予算案を見ても、宇宙ビジネスの振興が大きく取り上げられています。なぜ福岡県は宇宙分野へのビジネス展開を支援することとしたのでしょうか。  そこで、まず初めに、宇宙ビジネスの市場規模と今後の成長見込みについて御説明をお願いいたします。 30 ◯栗原 渉委員長 見雪新産業振興課長。 31 ◯見雪新産業振興課長 世界の宇宙ビジネスの市場規模は、民間の調査会社の試算によりますと約四十六兆円であり、二十年後には百兆円を超えると見込まれております。また、国の宇宙基本計画の中では、現在一・二兆円の国内市場を二〇三〇年代早期に倍増させることを打ち出しております。このように宇宙ビジネス市場は大きな成長が期待されております。 32 ◯後藤香織委員 では、これまで県では、宇宙ビジネスの振興としてどのような取組をしてきたのでしょうか。 33 ◯見雪新産業振興課長 県では、これまで産学官連携組織、福岡県ロボット・システム産業振興会議や福岡県Ruby・コンテンツビジネス振興会議などでの活動を通じて、県内ものづくり企業やITベンチャーを支援してまいりました。こうした結果、宇宙ビジネスに参入するポテンシャルのあるハード企業、ソフト企業が誕生しております。  さらに、今年度から本格的に宇宙ビジネスの振興を開始し、注目の宇宙ベンチャーを招聘し、最新情報を発信する福岡県宇宙ビジネスフォーラムの開催や、産学官による福岡県宇宙ビジネス研究会の発足などに取り組んでおります。  昨年九月には、本県ならではのこうした強みが評価され、国の宇宙ビジネス創出推進自治体に九州で初めて選定されたところであります。 34 ◯後藤香織委員 今年度から本格的に振興してきたとのことですが、二〇一九年の十二月には、九大発のベンチャー企業、QPS研究所の超小型レーダー衛星イザナギが打ち上げられ、私も県庁ロビーでのパブリックビューイングに参加をさせていただき、大変感動をいたしました。このQPS研究所に対しては、県はどのような支援を行ってきたのでしょうか。 35 ◯見雪新産業振興課長 QPS研究所の人工衛星制御システムは、福岡県が国の支援を得て開発したプログラミング言語、軽量Rubyで開発を行っております。県では、Rubyを活用した先導的な取組への開発補助を行っておりまして、QPS研究所に対しては平成二十六年度に支援を行いました。同社では、軽量Rubyを採用した結果、開発期間の大幅短縮に成功したと聞いております。また、QPS研究所は、この人工衛星制御システムにより、平成三十年度、福岡Ruby大賞も獲得しております。 36 ◯後藤香織委員 では、このQPS研究所のプロジェクトの概要について、改めて説明をお願いいたします。 37 ◯見雪新産業振興課長 QPS研究所の超小型レーダー衛星は、光学衛星と呼ばれるカメラで観測する衛星と異なり、夜間や悪天候でも観測可能なことが最大の特徴であります。加えて、地上一メートル四方の物体を見分けることができる世界最高水準の性能を誇っております。こうした超小型レーダー衛星を、令和七年、二〇二五年までに合計三十六基打ち上げる計画であり、これが実現すれば、世界のどこでも十分おきに観測することが可能になります。なお、この衛星本体の作成には、県内のものづくり企業十七社が参加しております。 38 ◯後藤香織委員 昼夜や天候を問わず、世界最高水準の画像を十分おきに取得するこのプロジェクトを、県内の十七社のものづくり企業が支えているということだと思います。  それでは、そのプロジェクトの進捗状況はどうなっているのでしょうか。 39 ◯見雪新産業振興課長 先ほど委員から御紹介がありましたように、QPS研究所では、令和元年十二月、初号機イザナギの打ち上げに成功いたしました。このイザナギでは、宇宙空間における各種機器の作動など、開発目標の九五%を実現したものの、画像取得のみが課題として残されておりました。  その後、イザナギの課題を改善するとともに、さらに高性能化した二号機イザナミを開発し、今年一月、打ち上げに成功しております。また、今月三日には、衛星データからの画像取得にも成功したところです。 40 ◯後藤香織委員 画像の取得に成功したとのことですが、このQPSの超小型レーダー衛星は、今後どのように活用される見込みなのでしょうか。 41 ◯見雪新産業振興課長 QPS研究所のレーダー衛星は、昼夜を問わず、悪天候でも観測可能なことから、災害時の被災地の状況確認や、また、十分おきに観測可能なことから、道路や行楽地の混雑状況のリアルタイム把握、あるいは地表の変化をミリ単位で観測可能なことから、社会インフラ管理などへの活用が期待されております。 42 ◯後藤香織委員 災害時の被災地の状況を確認できるなど、データ活用には様々な可能性があるということだと思います。ほかにも福井県や北海道などでは、衛星からのデータを農作業の効率化などに活用する計画を進めているとのことです。  こういった宇宙ビジネスは、県内の企業の新たなビジネスチャンスになると考えますが、実際にどのような業種にチャンスがあるのでしょうか。 43 ◯見雪新産業振興課長 QPS研究所の衛星製作には、精密加工が得意な企業、金属材料の取扱いにたけた企業、そして、機械設計に精通した企業などが参加しております。本県には、自動車や半導体など優れた技術を持つ企業が集積しておりますので、幅広いものづくり企業にチャンスがあると考えます。  また、衛星データを活用する、データ利用ビジネス分野の拡大も今後期待されます。これまでにない新サービスを提供するスマホアプリ、あるいはデータの分析を担当するAI、そして安全にデータをやり取りするためのセキュリティー技術などが必要とされると考えられます。本県に集積するITベンチャーにとっても、幅広い分野でチャンスがあると考えております。 44 ◯後藤香織委員 幅広い分野でチャンスがあるとのことですが、参入を検討する企業も出てくるのではないかと思います。県内のものづくり企業が宇宙ビジネスに参入するに当たっての課題と対策について、どうなっているのかお伺いをいたします。 45 ◯見雪新産業振興課長 企業の皆様からは、宇宙ビジネスにぜひ挑戦したいが、コロナ禍の影響を受けている、あるいは自社の技術が宇宙ビジネスに生かせるのか知りたいといった声が寄せられておりまして、開発コスト、そして情報不足が課題だと認識しております。  このため、来年度から、中小企業を対象とした研究開発助成を新設するほか、福岡県宇宙ビジネスフォーラムや宇宙ビジネス研究会を通じた先行事例の情報発信、こうしたことに取り組み、県内中小企業の皆様の挑戦を後押ししてまいりたいと思います。 46 ◯後藤香織委員 ぜひ挑戦の後押しをよろしくお願いいたします。  その上で、冒頭でもお話がありましたが、本県は、昨年九月に国の宇宙ビジネス推進自治体に選定をされています。これにより、国からどんな支援が受けられるでしょうか。また、それを利用して、県では今後どんなことに取り組むのか教えてください。 47 ◯見雪新産業振興課長 宇宙ビジネス創出推進自治体選定により、国やJAXAとの連携イベントの開催、あるいは宇宙ビジネス専門家派遣による各種助言などの支援が受けられます。  JAXAは日本の宇宙開発を牽引している研究機関ですので、このJAXAとも連携して、衛星データビジネス創出に向けたアイデアソン、これはアイデアマラソンのことですが、こうした新しいアイデアやビジネスプランを生み出すためのワークショップも共同で開催したいと考えております。 48 ◯後藤香織委員 ありがとうございます。これまで県の支援の下で生まれた県内のものづくり企業やITベンチャーなど、ポテンシャルの高い企業が多く存在するという本県の最大のメリットを生かして、本県初の宇宙ビジネスの創出に大変期待をしているところです。  そこで、最後に、本県発の宇宙ビジネス創出に向けて、商工部長の決意をよろしくお願いいたします。 49 ◯栗原 渉委員長 岩永商工部長。 50 ◯岩永商工部長 宇宙ビジネスの振興についてでございます。委員御指摘のとおり、本県がこれまで大変支援をしてまいりましたQPS研究所が今年の一月には二号機の打ち上げに成功して、また、この三月三日には衛星データからの画像取得についに成功したというところでございます。また、このQPS研究所の人工衛星の製作に県内十七社が関わっておりまして、ほかにも福岡県内には大変優れたものづくり企業がございます。今後、本県のこのような強みを最大限生かしまして、さらなる宇宙ビジネスの振興に努めてまいりたいと考えております。 51 ◯後藤香織委員 終わります。(拍手) 52 ◯栗原 渉委員長 ほかに質疑はありませんか。高橋雅成委員。 53 ◯高橋雅成委員 公明党の高橋雅成です。  ILC国際リニアコライダーの今後について質問いたします。  今から七年前の平成二十六年、鳴り物入りでILC誘致に向けた予算が計上されました。いまだに我が会派の入り口に、執行部から配付されましたILCののぼりを掲げております。議会棟のロビーにも先日までありました。今日ちょっと確認したら、なくなっていたみたいですけど。  当時、小川知事は、就任二年目の議案説明で、本県の強みを生かした成長産業の支援策の説明の中で、ILCアジア─九州推進会議と連携してILC計画を国家プロジェクトとするよう働きかけるとともに、シンポジウムを開催し、地域における一層の理解促進を図り、ILC計画の九州での実現を目指しますと力強い表明をしておりました。  改めまして、本県がILC計画に取り組むことの意義をお尋ねします。 54 ◯栗原 渉委員長 冨田商工政策課長。 55 ◯冨田商工政策課長 ILCでは、質量の起源とされますヒッグス粒子の性質の解明でありますとか、未知の粒子発見といった最先端の研究が行われることになります。脊振地域で、このILC計画が実現をすれば、本地域が基礎科学の発展に大きく貢献することになると考えております。  また、ILCには、世界中から多くの研究者、技術者等とその家族が集まり、これらの研究者等と住民の交流を通じて、文化学術交流機能を兼ね備えた国際研究都市が、この地域に形成されるものと考えております。 56 ◯高橋雅成委員 それでは、今までのILCの取組の経過について説明をお願いします。 57 ◯冨田商工政策課長 平成二十五年の二月に、九州・山口の産学官政によるILCアジア─九州推進会議が設立されまして以降、地元の機運を高めるとともに、国に対し要望活動を行ってまいりました。  平成三十年の十二月でございますが、日本学術会議では、現在の状況から判断をして、ILC計画を日本に誘致することを支持するには至らないとの見解が示されました。それを踏まえ、平成三十一年の三月、文部科学省では、現時点で日本誘致の表明には至らないが、正式な学術プロセスで議論することが必要である。ILC計画に関心を持って国際的な意見交換を継続するとの見解が示されたところであります。これは約八千億円と見込まれる建設コストについて、現状では、米欧政府から資金面で協力が得られるか不透明であり、国際的な資金分担が明確にならない限り、我が国として誘致表明が難しいということであります。  令和二年の八月、令和三年末までに準備段階の計画策定を行うことを目的として、国際研究者によるILC国際推進チームが設立をされ、国際協力体制など推進の枠組みが大きく変わることになりました。こうした動きの中で、翌九月に文部科学省から公表されました学術研究の大型プロジェクトの優先度を示したロードマップ二〇二〇には、ILC計画は掲載をされず、また、文部科学省では、引き続き米欧の政府機関との意見交換を行いつつ、国際研究者コミュニティーによる議論を注視していくとされたところであります。県といたしましては、現在、国や日本学術会議の検討状況を注視しているところでございます。 58 ◯高橋雅成委員 この計画の主体者は、今、いろんな機関とか出てきましたけど、誰なのでしょうか。県は、誰に誘致のアプローチをしているのか、お示しをいただきたいと思います。 59 ◯冨田商工政策課長 我が国におきますILC計画の申請主体でございますが、これは、現在三つの加速器施設で素粒子、原子核など幅広い分野の研究を行っております国立の高エネルギー加速器研究機構でございます。国においては、文部科学省が所管をいたしております。  毎年、本県では、福岡県議会と連名で、ILC誘致に向けまして、文部科学省に対して、ILC計画に関しては幅広い観点からの調査、検討を実施するよう要望を行っております。 60 ◯高橋雅成委員 それでは、ここで資料を要求したいと思います。  ILC国際研究拠点化推進費の決算額について、資料の要求をいたします。委員長、お取り計らいよろしくお願いします。 61 ◯栗原 渉委員長 お諮りいたします。  ただいま高橋雅成委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 62 ◯栗原 渉委員長 御異議がありませんので、本委員会の要求資料といたします。
     執行部に申し上げます。ただいま高橋雅成委員から要求がありました資料については提出できますか。 63 ◯冨田商工政策課長 直ちに提出いたします。 64 ◯栗原 渉委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 65 ◯栗原 渉委員長 事務局は資料を配付してください。      〔資料配付〕 66 ◯栗原 渉委員長 資料が配付されましたので、高橋雅成委員、質疑を行ってください。 67 ◯高橋雅成委員 それでは、過去五年間の本県の決算状況について説明をお願いします。 68 ◯冨田商工政策課長 それでは、資料の御説明をいたします。  ILCの誘致を行うためのILC国際研究拠点化推進費の過去五年間の決算額を記載いたしております。  右から二列目に、各年度における決算額を記載いたしております。直近の令和元年度におきましては、国への提言要望に要する経費六十四万円余の決算額となっているところでございます。 69 ◯高橋雅成委員 令和二年の五月、衆議院におきまして、復興庁の延長法案の附帯決議の中で決議がされまして、その中で、「新しい東北」に資する国際リニアコライダー等の国際研究開発プロジェクトが我が国で実施される場合には、被災地に誘致されるよう関係機関と連携、協力することとあります。参議院でも同様の附帯決議がなされております。  震災から十年たったわけですけれども、国会は、東北復興を最優先課題としているように見えます。国会におきましては、東北、具体的には宮城、岩手両県にまたがる北上山地、ここにかじを切っている中で、福岡県、佐賀県の脊振の、九州として、今後、誘致活動が本当にできるのかお尋ねいたします。 70 ◯冨田商工政策課長 今、御指摘のございました国会での附帯決議でございますけれども、その附帯決議がなされました後の令和二年六月二十三日でございますが、文部科学大臣は、東北地方に設置を予定しているという事実はなく、九州でも熱心に誘致をしている。米欧の政府機関との意見交換を行うなどして、平成三十一年三月に示したILC計画に関する見解──これ、先ほど述べましたけれども、ILC計画に関心を持って国際的な意見交換を継続するという見解でございます。これに沿って対応してまいりたいと述べております。  県といたしましては、引き続き脊振地域への誘致活動、佐賀県や地元経済界ともしっかり連携し、継続してまいりたいと考えているところでございます。 71 ◯高橋雅成委員 すみません、ちょっと今日、先ほど手に入れた資料で申し訳ないですけれども、昨日付の岩手日報、新聞ですね。見出しに、「ILC国際会議が開幕 オンライン、技術進展向け協議」という新聞でございまして、三月十五日から国際会議のリニアコライダーワークショップがオンラインで開幕したと。素粒子物理学者の巨大実験施設、国際リニアコライダー計画の実現を目指す世界各国の研究者らが、四日間の日程で分野別の現状報告や技術進展に向けた協議をオンラインでやると。  初日の全体会議の冒頭、ILCの設立準備に動いている、国際推進チームで部会長を務める高エネルギー加速器研究機構(KEK)の道園教授が、準備に四年、建設に九年程度を想定している。準備段階は、技術面、拠点研究所の設計、人材確保などに向け活動していると説明。今回の会議について、ILCの一層の可能性を議論できるのをうれしく思うと述べたと。岩手県からも、東北ILC事業推進センターの代表の方が報告をしておりますし、関連工事の受注を目指すという設備会社の社長が、県工業技術センターとの研究について発表するという内容でございまして、国際会議は日米欧の持ち回りで、二〇一九年に行われた仙台市開催以来ということでありましたけれども、この会議には、県からどなたか参加されたのでしょうか、されるのでしょうか。九州の研究者や研究機関などが参加される予定はあるのでしょうか。 72 ◯冨田商工政策課長 ただいま委員から御指摘のございました会議について、福岡県から参加をするという予定はございません。  研究者については、ただいま手元に資料がございませんで、状況は把握しておりません。 73 ◯高橋雅成委員 この会議が今も行われているわけですけども、ということについては、情報をお持ちだったのでしょうか。 74 ◯冨田商工政策課長 会議が行われていること自体については存じておりました。 75 ◯高橋雅成委員 国の閣議決定された二〇二一年度予算ですけど、ILC関連の予算は四億八千万円ついています。そのうちの、KEKと米フェルミ研究所が中心となって加速器の中核部品、超電導加速空洞の素材や加工法などの研究を継続ということに三億二千万円を計上されております。KEKの運営費交付金には、ILC関連として、二〇年度当初予算と同額の一億六千万円を盛り込み、国際間の共同研究の対応を進める。まさしく先ほどお進めいただいた国際研究者コミュニティーによる議論を注視していくという文部科学省の方針そのものですけれども、文部科学省の担当者は、ILCをめぐっては研究者が検討を続けており、その動向を見ていきたいというようなことを──国は、福岡県があまり知らないところで東北中心にしっかり動いているのではないでしょうか。  このILCの実現に向けた事業費、県の事業費は六十四万円ですけど、岩手県の令和三年度予算は一億円ですよ。福岡の百五十倍の予算で、その内容は、国際リニアコライダーの実現に向け、建設準備に必要となる具体的な調査検討や、県内企業の加速器関連産業への参入支援、国内外への情報発信等の取組を強化というふうにされております。  こういった情報をしっかりと幅広くキャッチして、的確な判断、行動をめり張りを持って取ってほしいと思いますけど、今後どうされるのか、最後に、部長の答弁を求めます。 76 ◯栗原 渉委員長 岩永商工部長。 77 ◯岩永商工部長 ILCの誘致についてでございます。ILCの誘致が実現いたしましたならば、世界中から多くの研究者の皆さん、それから、その家族の皆さんがこちらのほうに来ていただけるということで、大変大きな国際研究都市が形成される、極めて大きなメリットがあると認識をしているところでございます。一方で、課長が先ほど答弁いたしましたとおり、そのための建設費として今上がっているのが八千億円、そして、国際的な費用分担についてはまだ明確ではないと、これが実情でございます。このことから、国におきましては、現時点では、まだ誘致表明には至らないという状況にあると認識をしているところでございます。  ただ、本県といたしましては、福岡、脊振に誘致をするという考えの下で、これまでも国に対して要請をしております。具体的には、本県に優位性がございます、研究者の皆さんが長期間にわたって生活することになるので、生活環境をよく踏まえてください、あるいは、いろんな産業が集積した場合の経済効果、このようなことにも選定に当たっては配慮してください、このような幅広い観点から総合的な検討を行うようにこれまでも要請してきたところでございますし、今後もしっかり国の情報、それからいろんな研究者の情報も入手しながら、的確に要請を続けてまいりたいと考えております。 78 ◯高橋雅成委員 誘致を本当に進めるなら、遅れを取らないように、国際機関、国際研究者、そういった情報をしっかりと入手しながら、また、連携も取りながらやっていただきますようにお願い申し上げまして質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 79 ◯栗原 渉委員長 この際しばらく休憩します。再開は午後一時をめどに放送をもってお知らせします。    午 前 十 一 時 五 十 三 分 休 憩    午 後 一 時 零 分 再 開 80 ◯仁戸田元氣副委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  第七款商工費について、ほかに質疑はありませんか。吉武邦彦委員。 81 ◯吉武邦彦委員 お疲れさまです。緑友会の吉武です。  観光地域づくりについてお尋ねをいたします。  さきの緑友会代表質問におきまして、次年度もコロナ禍による県内産業の苦境は続くと思われるということで、本県の観光産業に対する支援についてただしました。それに対しまして、知事職務代理者である服部副知事からは宿泊事業者が実施する感染防止対策やワーケーションスペースの整備への支援、また、観光需要喚起のための宿泊助成、県内を周遊していただくためのタクシーやレンタカーの助成、県内外からの修学旅行の商品造成支援、マイクロツーリズム推進のための県内中小旅行業者への旅行商品造成支援、それから、国内外へのプロモーションの強化といった取組により、深刻な状況にある観光産業をしっかりと支援をしていくと力強い答弁をいただきました。  今後もコロナウイルス感染症の発生状況などを見据えながら、観光産業への支援施策を時期を捉えましてしっかり実施していただきたいと思っております。  そして、これらの支援策の効果を最大限に上げていくためには、人を引きつける観光コンテンツの存在が重要であります。県内各地域に魅力的な、その地域ならではの観光コンテンツがあること、人が旅する意味を見いだせる体験があることが、コロナ下の観光需要の回復、そして、コロナ後の観光振興を進めるに当たって、非常に重要な視点でないかと考えております。  そこで、まず最初に、本県における体験プログラムなどの観光コンテンツ開発の取組についてお答えください。 82 ◯仁戸田元氣副委員長 神代観光政策課長。 83 ◯神代観光政策課長 今、委員から御指摘がありましたとおり、魅力的な観光資源、観光コンテンツを開発していくことが重要だと考えております。  県では、今年度から、宗像市、福津市をはじめ五つの市町で構成いたします筑前玄海エリア、また、八女・筑後・広川エリアなど、県内四エリアにおきまして、県、そして、地元の自治体、観光協会等で構成いたします新たな観光エリア検討会を設置いたしまして、観光地域づくりの取組の一環として、各地域の魅力を生かした体験プログラムの開発を進めているところでございます。 84 ◯吉武邦彦委員 私の地元の宗像市をはじめとした筑前玄海エリアにおいても、自治体や観光協会と取り組んでいるというお話でありました。今年度の成果としまして、このエリアで新たな商品として開発をされたものに何がありますか、お答えください。 85 ◯神代観光政策課長 筑前玄海エリアでは、大島での大自然を満喫する乗馬体験、また、世界遺産であります新原・奴山古墳群を乗り合いではなく貸切りの馬車で巡る体験、また、芦屋釜の里でのオリジナルのすず製の印作り体験など九件を開発いたしまして、現在、来年度下期からの旅行商品の販売に向けまして、旅行会社とともに準備を進めているところでございます。 86 ◯吉武邦彦委員 この地域には、世界遺産に登録されました「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群、芦屋から宗像を経て志賀島へ通じる海沿いの広域サイクリングルート、天然トラフグ、マダイ、アナゴといった四季折々のおいしい海の幸もあります。こうしたものを活用し、引き続き観光商品の開発に取り組んでいただきたいと思っております。  さて、それぞれの商品開発はもちろん重要でございますが、この地域を観光地として磨き上げていくためには、広域的な観点から観光地としてのエリアをつくっていくことがとても重要でないかと考えております。観光のエリアをつくり、継続した観光振興を進めていくためには、地元の観光関連団体や事業者が自ら取り組むことが必要であります。  しかしながら、自分も観光協会の会長を十年ほどしましたからよく分かるのですが、協会などの観光関連団体は、地域の事業者を巻き込みながら継続した観光振興に取り組む人材が非常に不足をしています。観光人材の育成や観光地域づくりを担う組織を整えることが重要であります。  そこで、これまで実施してきた観光人材、観光組織づくりの支援の取組についてお答えください。 87 ◯神代観光政策課長 まず、観光人材でございますけども、県では、平成三十年度から、地域の観光団体などを対象といたしまして、ワークショップ形式の課題解決型の研修ということで、ふくおか観光地域リーダー共創塾を開催いたしまして、地域の強み、弱み、まず現状分析を行いまして、その地域課題を洗い出し、そして、その課題を解決するためのプロジェクトを策定する、そういった経過を通じて、魅力ある観光地域づくりをリードしていける人材を育成しております。  また、組織につきましては、国は、平成二十七年度から、地域の稼ぐ力を引き出し、観光地経営の視点に立った観光地づくりを行うかじ取り役を担うことができる団体としまして、観光地域づくり法人、いわゆるDMOとして登録する制度を設けております。県では、平成三十年度から、DMOを登録するに当たりまして、県内の観光協会等がDMO申請計画を自ら策定するに当たりましての来訪者のデータの収集分析、それからマーケティング、そして、地域が抱える個別課題に対しまして、専門家が地域に出向きまして寄り添いながら解決していく伴走型支援を行っております。 88 ◯吉武邦彦委員 いずれの事業も、地域の方々が自ら考え、計画づくりをする事業になっていることがよく分かりました。この事業成果について、それぞれお尋ねいたします。  まず、共創塾について、人材育成の成果についてお答えください。 89 ◯神代観光政策課長 共創塾では、これまで三年間に二十四の自治体、それから四十名が受講していただいております。それぞれ観光資源を生かして、地域の課題解決につながるプロジェクトを策定しております。  昨日も、私も参加いたしましたが、第三期生の発表会が実施され、十三のプロジェクトが披露されております。各地域では、卒業生を中心に、共創塾で策定いたしましたプロジェクトを生かした新たな旅行商品の開発が進んでおります。  一例といたしまして、篠栗町でございますが、「~週末はお寺で深呼吸~自分と向き合う篠栗時間」をテーマといたしまして、お寺、森林セラピーなどの観光資源、そして、お遍路、法話、座禅などの体験プログラムとお寺の宿泊をセットにした旅行商品を既に販売しているところです。また、福津市では、「ふくつ光の海ヘルシークーポン」をテーマにしまして、光の道が生まれる海、福津の食を観光資源に、SUPをはじめとしたアクティビティーと海岸沿いのカフェでのヘルシーな食をセットにした旅行商品の販売に向けた準備を進めております。 90 ◯吉武邦彦委員 伴走型支援についてもお答えください。 91 ◯神代観光政策課長 これまでに、一般社団法人FM八女、宗像観光協会、嘉麻市観光まちづくり協会、柳川市観光協会、ふくつ観光協会など六団体をこの伴走型支援で支援をしてまいりました。  県内登録状況でございますが、DMO登録として登録されているところが、FM八女をはじめ二件でございます。DMO候補法人には、嘉麻市観光まちづくり協会、柳川市観光協会をはじめ六団体が登録されております。また、今年一月には、福津市の観光協会がDMO候補法人に申請を行っております。また、今月下旬には、宗像の観光協会も申請されるということで聞いております。 92 ◯吉武邦彦委員 宗像観光協会も今月下旬にDMO候補法人申請予定ということで、これまでの県の支援に対しまして感謝申し上げます。また、宗像観光協会が今後DMO法人として本登録されれば、DMO法人を対象とした国の予算を活用しまして、さらなる観光振興に取り組むことが期待できます。  県内のDMO本登録は二件、候補法人登録は六件とのお答えでありました。申請中のふくつ観光協会、これから申請する宗像観光協会を含めると、来年度早々には候補法人が八件となる見込みであります。それらの候補法人のDMO本登録に向けた支援が必要と考えます。何か支援を考えているのか、お答えください。 93 ◯神代観光政策課長 委員御指摘のとおり、候補法人をスピーディーにDMOの本登録に昇格させていき、そうすれば、国の予算も活用しながら新たな観光振興も図っていくことができます。  県といたしましては、今後も観光施策を講じていく上では大変重要なことであると考えております。このため、今、予算のほうをお願いしておりますけれども、県では、来年度から、先ほど答弁いたしました共創塾の発展した形として、DMO候補法人等を対象にしましたDMO本登録に求められる観光データの分析やデジタルプロモーションを担う人材の育成を図ってまいりたいと考えております。  加えて、県内観光協会などのDMO登録要件に関する相談・指導を行いますワンストップ相談窓口を観光政策課内に設置いたします。また、併せて、DMO候補法人などの事業計画実施に向けた個別課題を解決するために専門家を地元に派遣いたしまして、候補法人のDMO本登録を進めてまいりたいと考えております。 94 ◯吉武邦彦委員 今、課長から観光エリア創出に向けました事業と、それを支援する組織づくりの次年度以降の取組を説明いただきました。冒頭に申し上げましたとおり、これからの観光には、その地域ならではの観光コンテンツがあること、そして、人が旅する意味を見いだせる体験があることが求められております。  本県には、自然、伝統、文化、食といった魅力ある素材があります。これを活用して、いかにその地域ならではのコンテンツをつくり、新たな観光地を創出していくかが重要と考えております。そうすることで、福岡県の滞在も伸びていきますし、リピーターも増えるし、お金も落ちると思います。  そこで、部長に。部長は今年三月で退職されるのですか。そうしたら、たくさんな予算をつけてもらうことを期待しまして、新たな観光地づくりに向けた決意をお聞かせください。よろしくお願いします。 95 ◯仁戸田元氣副委員長 岩永商工部長。 96 ◯岩永商工部長 新たな観光地づくりについてでございます。県内の観光振興を図っていくためには、県内各地域にございます魅力を生かした体験プログラムを開発していく、こういうことが大変重要になってくると考えております。このため、先ほども課長が答弁いたしましたとおり、今年度は四つのエリアで新たな体験プログラムの開発に取り組んだところでございます。また、来年度からは、それらを支えますDMOの登録に向けた支援も大変強化をしていきたいと考えております。このような取組をさらに進めることによりまして、新たな観光地づくりに全力で取り組んでまいりたいと考えております。 97 ◯吉武邦彦委員 ありがとうございました。今、コロナ禍で観光産業というのは本当に痛んでおりまして、観光産業はそれこそ裾野の広い経済波及効果の高い産業でございますので、これからも商工部におかれましては、観光に対して御支援、御指導いただきますようお願いを申し上げまして、質問を終わります。(拍手) 98 ◯仁戸田元氣副委員長 ほかに質疑はありませんか。桐明和久委員。 99 ◯桐明和久委員 自民党県議団の桐明でございます。  通告に従い、留学生の活用について質問をさせていただきます。  若干、冒頭重なるかと思いますが、観光は関連する産業の裾野が広く、商工業、農林水産業をはじめ関連する産業が非常に多く、幅広い分野で地域経済へ波及効果をもたらすものであり、観光振興は重要な政策であります。  本県においても、平成二十八年十月に、議員提案により観光王国九州とともに輝く福岡県観光振興条例を制定し、平成二十九年七月には、福岡県観光振興指針を策定するなど、観光の振興に取り組んできたところであります。昨年三月には、第二次観光振興指針を策定し、外国人入国者の国・地域別割合の偏りや一人当たりの旅行消費支出の減少などの課題解決に向けて一層の取組強化を図っていると認識しております。  しかしながら、昨年からの新型コロナウイルス感染症の影響により海外からの観光客の入国は停止されており、県内の観光産業に携わる方々には甚大な影響を及ぼしております。  そこで、まずお尋ねいたしますが、コロナ禍における本県の国内外からの観光客の状況はどのようになっているのかをお聞きいたします。 100 ◯仁戸田元氣副委員長 吉田観光振興課長。 101 ◯吉田観光振興課長 宿泊旅行統計によりますと、令和二年の本県における宿泊者数は、速報値ベースでございますけれども、九百八十一万人泊となっており、初めて二千万人の大台を超えました令和元年と比較いたしますと、五二%の減少ということになっております。内訳は、日本人が対前年比四三・一%減の九百二十万人、外国人が同八五・六%減の六十一万人ということになっております。  また、令和二年の本県への外国人入国者数は前年比八八%減の三十二万九千九百六十一人となっております。これは、多くの国で海外渡航制限等の措置が取られ、日本におきましても入国制限措置等の水際対策が行われていることが要因となっておりまして、四月から十一月まで、対前年同月比一%未満が続くなど、皆減状態が続いているところでございます。 102 ◯桐明和久委員 本県においては、厳しい環境にある観光産業を下支えする施策として、国内においては、七月に県民と九州在住者、十一月には全国を対象に大規模な宿泊助成を実施したところであります。一方、海外からの誘客については、いまだ世界中でコロナが猛威を振るっていることや、我が国においても入国制限と水際対策が取られていることから、今すぐに需要が回復する状況にはないと考えます。  しかしながら、インバウンド誘客に国を挙げて取り組んでいる重要施策であり、積極的に取り組む予定であったと思いますが、コロナ禍における今年度の海外誘客事業の実施状況についてお聞きいたします。 103 ◯吉田観光振興課長 海外の旅行会社やインフルエンサーの本県への招聘といった事業、それから、海外の旅行博覧会への出展、もしくは国際間の人の往来を伴う事業につきましては実施できていない状況にございました。  一方で、国際的な人の往来再開に向けて、旅行先を検討中の海外の方々に訪問地として本県を選んでいただけるように、本県の魅力をPRしておく必要があると考えております。そのため、外国人視点を取り入れた県インバウンド向けウェブサイト、Visit Fukuokaを新たに開設したほか、SNSによる県内観光地の情報発信など、デジタルプロモーションを実施しているところでございます。また、オーストラリアにおきましては、現地旅行マーケティング会社によるプロモーションを開始いたしました。  このように新型コロナウイルス感染収束後のインバウンド観光客の早期回復に向けた取組を行っているところでございます。 104 ◯桐明和久委員 本県では、世界各地から一万九千六百人を超す留学生が学んでおります。ちょうど今月の三月一日に、福岡県国際交流推進議員連盟主催の留学生との意見交換が博多サンヒルズホテルで開催され、四名の留学生が「福岡を魅力ある都市にするためには」のテーマによりスピーチをされました。スピーチの中では、福岡が持っている魅力に気づくこと、もっとその魅力を発信すべきであるとの意見があり、大いに参考になりました。また、国内に残り、就職をして、日本との交流などかけ橋になる仕事をしたいとも述べられ、大変印象に残ったところであります。  そこで、お聞きしますが、海外への観光プロモーション等の事業の中で、このように福岡に魅力を感じファンになってくれた留学生が参加、または活用して、留学生の視点による福岡県の魅力を海外に発信、PRする事業はあるのか、お聞きいたします。      〔正副委員長交代〕 105 ◯吉田観光振興課長 今年度におきましては、海外向けに安全・安心な福岡観光プロモーション動画を制作したところでありまして、今後、海外からの誘客再開時期に合わせてプロモーションを展開していく予定にしているところでございます。  この動画制作に当たりましては、外国人の視点に立った県内観光地のPRが重要だと考えまして、ロケ地の選定や感染症対策の伝え方など、県内の留学生をはじめとする外国人の方々との意見交換の場を設けまして、その意見を取り入れながら制作したところでございます。  加えまして、コロナ収束後のプロモーションにおきましては、県内留学生のOBで県内在住のインフルエンサーの方にも御協力をいただくということで考えているところでございます。 106 ◯桐明和久委員 留学生は、卒業後、母国に帰り活躍する人材であると思います。また、福岡を知っている学生を大いに活用して、コロナ禍での海外への福岡県プロモーション事業を推進すべきであると思いますが、考えをお聞きいたします。 107 ◯吉田観光振興課長 県内留学生の方々は、その国・地域ならではの視点で福岡県の魅力や特徴を感じ取られておりまして、県内のPRポイントなどについて気づきを与えていただける、貴重かつ最も身近な外国人だと考えております。また、母国の友人や親族、留学生間のネットワークを通じた信頼のおける生きた情報の広がりも期待ができると考えておりまして、本県の観光振興を促進する観点からも、留学生は非常に重要な存在であると考えております。  そのため、今後も本県の魅力を海外に伝える際には、ターゲットとする国からの留学生の御意見も参考にしながら企画を練り上げていくとともに、母国の家族、友人、知人に広く発信していただけるよう、留学生の方々に情報を提供していきたいと考えております。その際には、国際局とも引き続き連携を密に図りながらしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 108 ◯桐明和久委員 ありがとうございました。最後は私の要望とさせていただきますけれども、やはり世界各地から本県に学びの場を求めてこられている留学生が多いのも本県の強みであります。観光振興はもとより、あまおうや八女茶などの本県の魅力ある農産物や食の情報など、海外に発信する際の貴重な起点となり得る方々と思っております。学業を終わられ、母国に帰られた際にも、また、先ほど言いましたように国内に就職された場合でも、本県の力強いサポーターとなり、ビジネス関係の構築など両国間のかけ橋になっていただけることも期待できると思います。  コロナ禍の厳しい状況下にありますが、今できることをしっかりと取り組むことが肝要であり、コロナ下でも県内留学生を活用し、連携して観光需要を確実に取り込むような事業の推進を要望し、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 109 ◯栗原 渉委員長 ほかに質疑はありませんか。江頭祥一委員。 110 ◯江頭祥一委員 自民党県議団の江頭祥一です。私は、県議会議員になる前、薬剤師として勤務していました。薬剤師免許を取得するには、医師、歯科医師と同様に、広義的な意味では医療について学んでいきます。そして、薬理学という分野について誰よりも深く学ぶのが薬剤師であります。そして、私の薬剤師仲間たちは、今、県民の皆様の健康を支える地域の医療機関、薬局、製薬企業、そして、百六名の県庁薬剤師、バイオベンチャーなどで活躍しているところです。今回は、私自身の経験を踏まえ、県のバイオ産業振興策の中でも、新型コロナ治療薬開発と機能性表示薬品開発に注目して質問したいと思います。  ようやく我が国においても、医療従事者に対する予防薬であるワクチン接種が始まりましたが、日常を取り戻すためには、予防薬に加えて、感染した場合の治療薬が不可欠です。そんな中、注目を集めているのが久留米市のバイオベンチャー、株式会社ボナック。ボナックは、昨年五月、日本獣医師会長である藏内勇夫議員、地元県議としてバイオ産業振興に尽力してきた原口剣生議員同席の下、福岡県保健環境研究所と新型コロナ治療薬の共同開発の覚書を締結しました。このボナックですが、研究部門のトップは獣医師、次に薬剤師で構成されています。その後、昨年八月には、県庁において、試験管内で行うインビトロ試験で目覚ましい成果が出たと記者発表をしています。県民の期待が高いプロジェクトですが、その後の進捗状況はどうなっているのか、お答えください。 111 ◯栗原 渉委員長 見雪新産業振興課長
    112 ◯見雪新産業振興課長 委員から御紹介がありましたように、昨年五月、県との覚書締結を受けて、ボナックは、核酸医薬による候補薬の設計、あるいは合成を担当いたしました。この候補薬については、県保健環境研究所が持つウイルス株と細胞実験技術を用いて検証を行っております。  昨年八月には、ごく少量でも効果が期待できる三種類の候補薬にまで絞り込みを終えて、県庁にて記者発表を行いました。昨年十月からはフランスで動物試験を進めており、今年一月には、ボナックから動物試験でも候補薬の有効性が確認できたとの報告を受けました。  今後は、候補薬の安全性を確認する非臨床試験などに入り、来年度中の人に対する治験開始を目指しております。 113 ◯江頭祥一委員 新型コロナの治療薬については、現在、エボラ出血熱治療薬として開発されたレムデシビルなどが承認されていますが、肝機能への副作用が心配されており、一日も早い副作用が少なく効果の大きい治療薬開発が望まれています。ボナックは、核酸医薬という次世代医薬による開発を進めていますが、どのような特徴があるのでしょうか。 114 ◯見雪新産業振興課長 通常のウイルス感染症治療薬は、ウイルスが人の体内で増殖するために必要となる成分──たんぱく質や酵素などの動きを阻害して治療しますけれども、ボナックの治療薬は直接ウイルスに作用するのが特徴でございます。また、ボナックの治療薬は吸入薬で開発するために、患部である肺に直接作用いたします。注射や口から服用する経口薬とは違いまして血液を介しませんので、成分が全身に回らず、副作用の心配も少なく、軽症から重症の方まで投薬できるという特徴がございます。さらに、核酸医薬は、一旦開発に成功すれば、新たなウイルス感染症が発生した場合でも核酸の配列を変えるだけで新薬が開発できるために、ワクチンやほかの治療薬に比べ、短期間での開発が可能であるといった特徴がございます。 115 ◯江頭祥一委員 現在、新型コロナ変異株が世界的に流行しており、昨日、変異ウイルス感染によって国内初の死亡者が報告されました。ボナックが開発する治療薬は、変異ウイルスにも効果が見込めるのでしょうか、お答えください。 116 ◯見雪新産業振興課長 現在までに発見された世界中の変異ウイルスの遺伝子情報は、NCBIというアメリカの公的機関によりデータベース化されております。ボナックでは、そのデータベースにあるウイルス変異株百三十件全てについて検証を行い、治療薬が作用する箇所の遺伝子に変異がないことを確認済みとのことです。このため、治療薬が開発できれば、変異ウイルスにも効果が期待できると思われます。 117 ◯江頭祥一委員 今年度予算において、新興感染症治療薬開発に向けた連絡会議設置の経費が計上されています。福岡県は、アジアの玄関口であり、新興感染症に対する備えは極めて重要です。新型コロナに代表される人獣共通感染症への対応は、ワンヘルス推進に当たっての最重要課題でもあります。この連絡会議の概要についてお答えください。 118 ◯見雪新産業振興課長 我々は常に新たなウイルス感染症の脅威にさらされております。このため、新たな感染症が発生した場合の方策について定期的に意見交換を行うため、県、バイオベンチャー、製薬会社、大学などとの連絡会議を設置しようというものであります。この連絡会議を中心に、産学官それぞれの立場で課題を抽出し、迅速にワクチンや治療薬を開発する体制づくりについて検討を行ってまいります。 119 ◯江頭祥一委員 福岡バイオバレープロジェクトの下、県がバイオ産業振興を図るきっかけとなったのは、平成十三年九月、当時の議長、藏内議長の下で行った原口剣生議員による代表質問だとお聞きしました。その後、県では、平成十六年に福岡バイオインキュベーションセンター、平成十九年に福岡バイオファクトリーと立て続けにインキュベーションセンターを設置しました。そして、いよいよ今年四月には三つ目の施設、福岡バイオイノベーションセンターがオープンします。  着実に進展してきた福岡バイオバレープロジェクトですが、これまでの主な成果について御説明ください。 120 ◯見雪新産業振興課長 福岡バイオバレープロジェクトでは、創薬と食品の二本柱で、産学官一体となった研究開発、あるいはベンチャー育成に取り組んでまいりました。この結果、取組開始時に三十二社であったバイオ関連企業数は、現在二百三十社へと七倍以上に増加しております。  創薬分野では、委員からも御紹介がありましたボナックのほか、独自のゲノム編集技術で生物の持つ物質生産能力を最大限に引き出す、いわゆるスマートセルの技術を持つベンチャーや、昆虫を活用してワクチンなどに活用できる希少なたんぱく質を量産できる技術を持つベンチャー、こういった国際競争力のあるバイオベンチャーも次々と育ってきております。  食品分野では、平成二十七年にスタートした消費者庁の機能性表示食品届出制度を活用した食品開発にも取り組んでおります。現在、本県の届出件数は、認知症予防が期待できるはかた地どりなど二百五十六件で、東京、大阪に次ぐ全国第三位でございます。 121 ◯江頭祥一委員 福岡バイオバレープロジェクトにより、センターベンチャーが集積すれば、内外からの投資の呼び込みにもつながり、今議会の自民党の代表質問でも取り上げた国際金融機能誘致を図る上でも、本県のポテンシャル向上に大きく貢献するものと期待されます。  こうした最先端ベンチャーの集積も必要ですが、地域の中小企業をターゲットとした取組も忘れてはなりません。そうした観点で私が注目するのは、機能性表示食品制度です。健康への効能をうたった食品開発では、厚生労働省の特定保健用食品、いわゆる特保が有名ですが、人への臨床試験が必要で多額の経費がかかるため、事実上、大企業の独壇場となっています。  こうした中、規制緩和の一環として平成二十七年度からスタートした消費者庁の機能性表示食品制度は、企業が既存の論文などにより安全性や機能性の科学的根拠を示せば、血糖値を下げるなどの健康効果を表示できるため、中小企業も比較的活用しやすく、食のブランド化にもつながるものが期待されています。  調べたところ、福岡県は機能性表示食品が全国で第三位ということですが、正直驚いています。県では、この分野への参入を支援するために何か支援を行っているのでしょうか、お答えください。 122 ◯見雪新産業振興課長 県では、地域の中小企業を支援するため、この制度開始当初から、九州大学と連携しまして相談窓口を設置しておりまして、機能性成分の目利き調査や論文の予備調査を行っております。  近年、消費者庁の届出が厳格化されており、機能性成分に係る研究報告書、いわゆる研究レビューというものですが、この作成を民間シンクタンクに委託することが一般的となっております。中小企業にとっては、この経費が申請のボトルネックとなっていることから、来年度から新たにこの研究レビューに対する経費補助も導入したいと考えております。加えて、消費者庁への届出ノウハウを学ぶ研修会も新たに実施する考えです。 123 ◯江頭祥一委員 機能性表示食品に取り組もうとする中小企業にとっては、非常に心強い支援だと思いますが、こうした支援は他県でも行っているのでしょうか。 124 ◯見雪新産業振興課長 事前相談から届出まで一貫した伴走支援を行っているのは、私どもが知る限り本県だけでございます。 125 ◯江頭祥一委員 話は変わりますが、私は令和元年十二月、我が会派の代表質問で、宇宙ビジネスの可能性を取り上げました。その翌週、県庁で行われた後藤委員の質問にもありましたが、宇宙ベンチャー、QPS研究所の人工衛星打ち上げパブリックビューイングに参加させていただき、当時、県議会議長でもあった栗原議員も駆けつけられ、県としての関心の高さを確信しました。  宇宙は今後ますます身近になっていくことが予想されます。先ほど、宇宙ビジネスの創出に力を入れていくと部長が答弁されましたが、宇宙ビジネスの一環として、機能性表示食品開発のノウハウを生かし、宇宙食開発にも取り組んではどうかと考えますが、いかがでしょうか。 126 ◯見雪新産業振興課長 御提案ありがとうございます。宇宙飛行士は、長期間、閉鎖空間での生活を強いられます。このため、健康を維持する機能性成分を持つ宇宙食の開発は歓迎されるものと考えます。また、宇宙食は、長期保存を前提としておりますので、開発に成功すれば災害時の非常食としても売り出すことができ、新たなビジネスにつながることも期待されます。ただし、宇宙食としてJAXAから認証を受けるためには、長期保存だけでなく、製造設備の衛生管理など高いハードルをクリアする必要がございます。このため、委員からの御提案も踏まえて、来年度から開発ノウハウを学ぶ勉強会を開催し、この分野に挑戦しようと考えている県内中小企業の皆さんを応援してまいりたいと考えております。 127 ◯江頭祥一委員 国においては、バイオ産業を今後の成長産業と位置づけています。そして、本県には、これまでの産業政策により大きな可能性が育ってきていると思います。しかし、地域間競争は年々厳しくなっています。地域間競争に打ち勝ち、さらなる拠点化を目指して、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。  最後に、今年度で退職されると聞いています。入庁から三十七年間、長きにわたり福岡県発展のために働いてこられた岩永部長のバイオ産業振興と後進の皆様、商工部へ向けた思いをお聞かせください。 128 ◯栗原 渉委員長 岩永商工部長。 129 ◯岩永商工部長 バイオ産業の振興についてでございます。委員御指摘がございましたとおり、国においてバイオ産業を成長産業と位置づけられております。このようなことから、全国的な地域間競争というのが今後非常に激しくなってくると私も考えているところでございます。  そのような中で、本県には、委員から御指摘もございましたとおり、ボナックをはじめとした大変多くの優れたバイオベンチャー企業がございます。また、今年の四月、来月には久留米リサーチ・パークの中に新たなバイオセンターも開設をすることとなっております。これは本当に最先端の機器を備えたものでございます。私どもといたしましては、このような様々な本県の強みをさらに強くしていく、これを活用していくことによりまして、バイオ産業のさらなる進展を図ってまいりたいと考えているところでございます。 130 ◯江頭祥一委員 終わります。(拍手) 131 ◯栗原 渉委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 132 ◯栗原 渉委員長 ないようですので、以上で第七款商工費に関する質疑を終わります。  この際しばらく休憩します。再開は午後一時五十分といたします。    午 後 一 時 四 十 分 休 憩    午 後 一 時 五 十 分 再 開 133 ◯栗原 渉委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  第八款県土整備費について、順次、説明を求めます。見坂県土整備部長。 134 ◯見坂県土整備部長 八款県土整備費のうち、県土整備部所管分について御説明をいたします。令和三年度予算に関する説明書の二百九十七ページをお願いいたします。  まず、一項県土整備企画費でございます。県土整備部所管分の主なものは、一目県土整備総務費の右側説明欄の一番下、建設技術情報センター運営費でございます。これは建設技術情報センターの管理運営に要する経費でございます。一目県土整備総務費二十四億九千二百万円余と二百九十九ページの二目土木出張所費六百万円余、これらを合わせまして二十四億九千八百万円余をお願いしております。  ページが飛びまして、三百三ページをお願いいたします。二項道路橋りょう費でございます。その主なものは、三百七ページの三目道路新設改良費の右側説明欄の上から三番目、道路改良費でございます。これは道路の改良等を行うものでございます。合計は、三百九ページになりますが、五百七十七億三千二百万円余をお願いしております。  続きまして、三百十ページをお願いいたします。三項河川海岸費でございます。その主なものは、三百十二ページの二目河川改良費の右側説明欄の上から三番目、河川災害関連事業費でございます。これは河道の拡幅や護岸の整備等を行うものでございます。合計は、三百十五ページになりますが、四百五十九億四千五百万円余をお願いしております。  続きまして、四項港湾費でございます。その主なものは、三百十七ページの二目港湾建設費の右側説明欄の上から四番目、港湾既存施設有効活用促進事業費でございます。これは港湾の航路等の整備を行うものでございます。合計は四十二億一千六百万円余をお願いしております。  続いて、ページが飛びまして三百二十六ページをお願いいたします。七項県営埠頭施設整備運営事業費でございます。これは県営埠頭施設の整備、運営などに要する経費でございまして特別会計へ繰り出すもので、十八億六千百万円余をお願いしております。  引き続きまして、八項水資源対策費でございます。その主なものは、三百二十七ページの二目水道整備費の右側説明欄の一番下、水道施設耐震化等促進費でございます。これは水道施設の耐震化等を行う水道事業者等に対しまして事業費の一部を補助するものでございます。合計は、三百二十八ページになりますが、六十一億九千万円余をお願いしております。  県土整備部所管分の説明は以上でございます。御審議のほどよろしくお願い申し上げます。 135 ◯栗原 渉委員長 中尾建築都市部長。 136 ◯中尾建築都市部長 それでは、八款県土整備費のうち、建築都市部所管分について御説明をいたします。令和三年度予算に関する説明書の二百九十九ページをお願いいたします。  一項県土整備企画費のうち建築都市部所管分は、三目建築総務費から三百二ページの五目建築指導費までの合計で十五億七千三百万円余をお願いしております。その主なものは職員費などの管理費でございます。  三百十七ページをお願いいたします。五項都市計画費でございます。その主なものは、三百十九ページの三目街路事業費の説明欄の一番上にあります街路事業費、次の三百二十ページの四目公園費の説明欄の上から二つ目にあります県営公園維持管理費でございます。総額は、三百二十二ページの計の欄に記載をしておりますとおり、百六十五億六百万円余をお願いしております。  引き続きまして、三百二十二ページの六項住宅費でございます。その主なものは、三百二十四ページの二目住宅建設費の説明欄の上から二つ目にあります公営住宅建設費でございます。総額は、三百二十六ページの計の欄に記載をしておりますとおり、六十三億九千三百万円余をお願いしております。  建築都市部所管分の説明については以上でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。 137 ◯栗原 渉委員長 説明は終わりました。  これより質疑を行います。質疑はありませんか。樋口明委員。 138 ◯樋口 明委員 皆さん、こんにちは。自民党県議団の樋口明であります。  通告に従い、流域治水の推進について質問をいたします。  近年、全国各地で水災害が激甚化、頻発化しています。本県におきましても四年連続で大雨特別警報が発令され、多くの地域で甚大な被害が発生しました。こうしたことを踏まえ、我が会派の代表質問において、知事からは、国は、一級水系について、国、県、市町村から成る流域治水協議会を設置し、流域治水の全体像を流域治水プロジェクトとして今年度末までに策定することとしており、流域全体での総合的な治水対策にしっかり取り組んでいくとの方針が示されております。  まずは、一級水系の流域治水プロジェクトの策定に向けた流域治水協議会の取組について、進捗状況と、また、今後どのように進めていかれるかお尋ねします。 139 ◯栗原 渉委員長 喜多島河川整備課長。 140 ◯喜多島河川整備課長 県内の一級水系である筑後川、矢部川、遠賀川、山国川の全四水系について、国が水系ごとに今年度設置しました流域治水協議会に、県、市町村の関係部局が参加し、流域治水の推進に向け、今後取り組む河川対策やソフト対策、流域対策について、検討や情報共有を行ってまいりました。今後、国が、これらの内容を取りまとめ、令和二年度末までに流域治水プロジェクトを策定し、公表する予定となっております。  令和三年度以降は、協議会において、流域治水プロジェクトに基づく対策の実施状況のフォローアップや対策のさらなる充実を図る予定でございます。 141 ◯樋口 明委員 一級水系の流域治水に向けた取組状況は分かりました。しっかり取り組んでいただきたいと思います。  これまでの県内の浸水被害の状況を見てみますと、一級水系以外の流域においても深刻な被害が発生しており、二級水系についても流域治水を推進していくべきと考えますが、今後どのように取り組んでいかれますか、お答えください。 142 ◯喜多島河川整備課長 近年の気候変動による水災害リスクの増大に備えるため、県が管理する二級水系についても、流域治水を推進することは重要であります。こうしたことから、二級水系について、これまでの河川整備に加え、水田やグラウンドなどに雨水を貯留、浸透させ、河川への流出を抑制するなどの取組を示した流域治水プロジェクトを令和三年度末までに策定することとしており、そのための予算を本議会においてお願いしているところであります。このプロジェクトに基づきまして、流域内のあらゆる関係者と一体となって流域治水の推進に取り組んでまいります。 143 ◯樋口 明委員 二級水系の流域治水を着実に進めていくためには、学校や公園、個人住宅の雨水貯留機能の整備、ため池の活用など、市町村など関係者の協力が必要不可欠であります。こうした市町村など関係者の取組を県としてどのように推進していかれますか、お答えください。 144 ◯喜多島河川整備課長 今後、県が主体となり、県、市町村から成る二級水系の流域治水協議会を設置し、流域治水の着実な推進に向け、検討、協議を行うこととしております。この協議会において、市町村に対する技術的な助言や市町村間の広域的な調整を図ることで、市町村など関係者が主体性を持って効果的な流域治水の取組が行われるよう促進を図ってまいります。 145 ◯樋口 明委員 現在、筑後川下流域の市町では、大雨が予想される場合にクリークの水位を事前に下げる先行排水を実施し、浸水被害の軽減に効果を上げているようです。また、今後、県は、柳川市や久留米市など六市一町と広域的に連携して、クリークの先行排水を導入するといった報道がされました。この取組は、流域治水の一環として非常に効果の高いものであると考えます。  私の地元であります福岡市南区には、一昔前までは水田がたくさんありました。それらの水田は、今は住宅地へと変わっていますが、農業用の水路は残っています。また、私の南区のマスコットキャラクターは、ため蔵くんと言うんですが、なぜため蔵くんと言うか、部長、御存じですか。 146 ◯栗原 渉委員長 見坂県土整備部長。 147 ◯見坂県土整備部長 ため池から来ているのではないかと想像いたします。 148 ◯樋口 明委員 さすがですね。通告してないのにさすがだと思います。部長が言われたとおり、私の地元にはため池がたくさんありまして、そのため池のためから取って、ため蔵くんというキャラクターが南区のキャラクターということになっております。  この大雨の際に、これらの施設で先行排水を行い、雨水を貯留し、河川への流出を制御することができれば浸水被害の軽減に効果を発揮するのではないかと考えています。こうした取組を今後都市部においても進めるべきだと考えますが、いかがお考えか、お答えください。 149 ◯喜多島河川整備課長 既存の農業用の水路やため池などの農業水利施設を雨水の貯留に活用するためには、農家をはじめ、地元自治体や施設管理者、地域住民など、多くの関係者の方々に取組の効果を理解していただき、協力を得ることが不可欠であります。今後設置する流域治水協議会には、県はもとより市町村からも、農政担当部局、都市担当部局などが参加することとしております。  県としましては、流域の関係者により、こうした取組が今後都市部でも進められるよう、この流域治水協議会を通じて参加者に働きかけてまいりたいと考えております。 150 ◯樋口 明委員 効果の高い取組であると思いますので、実施に向けてぜひ協議会で検討をお願いします。  流域治水は、河川整備や流出抑制のためのハード整備など、氾濫をできるだけ防いだり、減らすための対策に加え、ハザードマップの作成など、被害を軽減させるためのソフト対策も重要であります。  そこで、市町村の洪水ハザードマップの作成状況をお尋ねします。 151 ◯栗原 渉委員長 植木河川管理課長。 152 ◯植木河川管理課長 市町村の洪水ハザードマップの作成状況につきましては、水防法により洪水ハザードマップの作成対象となっております五十五市町村のうち、現時点におきまして四十市町村で作成済みとなっております。残りの十五市町のうち九市町で現在作成中であり、ほか六市町につきましては今後作成される予定でございます。 153 ◯樋口 明委員 引き続き、全ての市町村でハザードマップが作成されますようお願いします。  市町村は、国や県が水防法に基づき作成した洪水浸水想定区域図を基にハザードマップを作成しますが、洪水浸水想定区域図が作成されていない中小河川においても、近年の大雨により浸水被害が発生し、住民は不安を感じています。  そこで、今後はこのような中小河川においても洪水浸水想定区域図を作成し、これを市町村がハザードマップに反映することが重要と考えますがいかがですか、お答えください。 154 ◯植木河川管理課長 委員御指摘のとおり、近年、水位周知河川以外の洪水浸水想定区域図が策定されていない中小河川におきましても全国的に氾濫被害が発生しておりますことから、浸水の危険性を周知する必要があるとの方針が国から出されております。  現在、県が管理します全三百三十四河川のうち、水位周知河川などに指定された四十一河川において洪水浸水想定区域図を公表しておりますが、今後、これらに指定されていない二百九十三河川全てにおいても、国の方針に基づき、洪水浸水想定区域図に準じます氾濫推定図を段階的に作成、公表してまいります。なお、二百九十三河川のうち百河川につきましては、今年の出水期までに公表をしてまいります。  これらの氾濫推定図には、想定し得る最大規模の降雨により浸水が想定される範囲と浸水深さを示すこととしており、県としましては、市町村に対し、これらの情報を洪水ハザードマップに反映するよう助言してまいります。 155 ◯樋口 明委員 ハザードマップの充実についてもよろしくお願いします。  今後も、県が先頭に立って、国、市町村など関係者と協力し、県内の流域治水をしっかり進めていただきたいと思います。  最後に、県内の流域治水の推進に向けた県土整備部長の決意をお聞かせください。 156 ◯見坂県土整備部長 お答え申し上げます。近年の気候変動による水災害のリスクの増大に備えるためには、いわゆる流域治水を推進していくことが極めて重要であると感じております。こうしたことから、これまでの河川整備、いわゆるハード整備に加えまして、水田やグラウンド、さらには先ほど委員から御指摘がありました農業用の水路やため池などを活用し、河川への流出の抑制を図る。つまり、一気に河川に水が流れ出さないように一時的な貯留機能を使う、時間差を設ける、これは極めて大事ではないかなと感じております。  このため、こうした取組を総合的にまとめました流域治水プロジェクトを、一級河川につきましては国が今年度中に策定することといたしておりますし、併せまして県管理の二級河川についても令和三年度までに策定し、公表することといたしております。  今後も、こうした取組を通じまして、農林水産部や建築都市部など、県庁内の関係部署の連携はもとよりでございますけれども、県が旗振り役となりまして、国や市町村など流域内のあらゆる関係者と一体となりまして、県内の流域治水の推進にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 157 ◯樋口 明委員 終わります。(拍手) 158 ◯栗原 渉委員長 ほかに質疑はありませんか。原中誠志委員。 159 ◯原中誠志委員 民主県政県議団の原中でございます。  発言通告に従いまして、大濠公園の活用について質問いたします。  福岡市の中心地、福岡市中央区、その北側に位置する都心の中に大濠公園があります。国内はもちろんのこと、海外の観光パンフレットにも広く紹介をされておりまして、海外からも年間多くの観光客が訪れる、まさに福岡県を代表する観光スポットになっております。そこで、本日は、この県営大濠公園の活用について質問いたします。  まず初めに、この県営大濠公園の概要説明を簡潔にお示しください。 160 ◯栗原 渉委員長 原田公園街路課長。
    161 ◯原田公園街路課長 大濠公園の一帯は、もともと博多湾の入り江にあった沼地であって、慶長年間に黒田長政が福岡城を築城する際に外堀として利用された場所でございます。昭和二年に開催された東亜勧業博覧会を機に、県が造園工事を行い、昭和四年に大濠公園として開園いたしました。総面積は三十九・八ヘクタールであり、二十二・六ヘクタールの池を有する全国有数の水景公園でございます。  公園施設といたしましては、池を囲む約二キロの周遊道、野鳥の森、美術館、能楽堂、日本庭園、児童遊園、四つの橋で結ばれた中の島や浮見堂、ボートハウスなどがあり、多くの県民の皆さんが散策やジョギングをするなど、憩いの場として広く親しまれ、利用されています。 162 ◯原中誠志委員 ここで、次の質問に入る前に、あらかじめ理事会に提出資料としてお願いしております大濠公園と博覧会と、併せて執行部に資料要求しています大濠公園日本庭園の利用状況について、委員会資料として配付を許可願いたいと思いますので、委員長のお取り計らいをお願いいたします。 163 ◯栗原 渉委員長 お諮りいたします。  まず、原中委員から要求がありました資料を委員会資料として要求することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 164 ◯栗原 渉委員長 御異議ありませんので、本委員会の要求資料といたします。  執行部に申し上げます。ただいま原中委員から要求がありました資料については提出できますか。 165 ◯原田公園街路課長 直ちに提出できます。 166 ◯栗原 渉委員長 資料を正副委員長に確認させてください。      〔資料確認〕 167 ◯栗原 渉委員長 次に、原中委員から申出がありました資料の配付についてであります。資料の内容については理事会において確認しております。  お諮りいたします。  原中委員申出の資料を配付することに御異議ありませんか。      〔「異議なし」と呼ぶ者がある〕 168 ◯栗原 渉委員長 それでは、ただいまより執行部及び原中委員から提出のありました資料を事務局から配付させます。      〔資料配付〕 169 ◯栗原 渉委員長 資料が配付されましたので、原中委員、質疑を行ってください。      〔正副委員長交代〕 170 ◯原中誠志委員 それでは、お手元配付の、まず私の提出資料、大濠公園と博覧会について簡潔に説明したいと思います。ホチキス止めの資料であります。  大濠公園では、過去四回、大規模な博覧会が開催をされております。一回目は、一九二七年(昭和二年)の東亜勧業博覧会であります。三月二十五日から五月二十三日までの六十日間。当時の福岡市の人口が約十五万人の時代に、観覧者は百六十万三千四百七十二人という、いかににぎわったかがよく分かります。そして、この博覧会を機に、今の大濠公園の姿になりました。二回目は、福岡大博覧会として、一九六六年(昭和四十一年)、西日本新聞社主催で開催された博覧会であります。このときの会場は、前回の東亜勧業博覧会とは反対側の大濠公園の東側です。今、スターバックスがある、あの辺りがメイン会場であります。  二枚目になりますけれども、三回目は、一九七五年(昭和五十年)三月十五日から五月二十七日、山陽新幹線が博多駅まで延伸されたことを記念して福岡大博覧会が開催をされました。入場者は二百十四万三千人でありました。四回目は、一九八二年(昭和五十七年)三月に開催されましたふくおか八二大博覧会であります。EXPO八二であります。三月十九日から五月三十日までの約二か月間の開催となり、約百社の企業が参加をして、九州で開催された博覧会の中では過去最大規模の盛り上がりを見せたそうであります。開催期間に約百三十六万人もの人が訪れたということであります。  ちなみに、大濠公園の真ん中のほうに、西側に池に突き出た格好で建っております朱色の浮見堂、朱色に輝く中華風な建物がありますけれども、これはもともと福岡市動物園にあったものであります。福岡市動物園は、一九三三年(昭和八年)、ここ県庁が建っている東公園に開園をされました。浮見堂は、正面から入ってすぐのところにあったオットセイ池に建っていた建物であります。しかしながら、戦争の影響で、一九四四年(昭和十九年)、終戦間際でありますけれども、僅か十一年で福岡市動物園は閉園を余儀なくされてしまいました。動物園も取り壊されましたけれども、このオットセイ池に建っていた浮見堂だけは、もったいないということで、その後、県営大濠公園に移築されて、それ以来、大濠公園のシンボルとして来園者に親しまれているということであります。  さて、大濠公園には、南側には日本庭園があり、北側には能楽堂という、いずれも国内外に誇る施設があります。しかし、残念ながら日常的に大濠公園を利用する方ですら、日本庭園に入ったことがない、能楽堂に入ったことがないという声をよく聞きます。とりわけ能楽堂については、能楽や狂言の公演に行かれた方以外にとっては、はた目、何の施設だろうと、中の様子が全く分からないという状況であります。  そこで、国際会議、学会などで福岡県内、とりわけ福岡市内に来られる来訪者に、ぜひともこの大濠公園にも足を延ばしていただいて、そして、隣接をする日本庭園で茶会や写真の撮影会を楽しまれたり、能楽堂で能や狂言などの日本文化に触れていただき、福岡の魅力を再発見、再認識、堪能していただくことも必要だと思います。  そこで、質問であります。大濠公園、日本庭園、能楽堂をセットにして紹介していただけるようなパンフレットをPRとして旅行会社、旅行代理店などにお願いする働きかけをすべきだと思いますが、このようなセールス、アプローチについて、執行部の考えをお聞かせください。 171 ◯原田公園街路課長 県では、日本庭園や能楽堂も掲載した大濠公園のパンフレットを福岡市観光案内所、アクロス福岡情報プラザ、福岡市内の主なホテルなどに配布し、情報の発信を行っているところです。  また、九州観光推進機構が、毎年、旅行会社等を対象として九州各県の観光資源の情報を提供するため、九州素材説明会を実施しており、今後改めてパンフレットの配布を行うなど、大濠公園の魅力をPRしてまいりたいと考えております。 172 ◯原中誠志委員 先ほども少し述べましたけれども、福岡市内では大きな国際会議が開かれたり、各種学会などで多くの方々がこの福岡にお越しになられております。  そこで、お聞きします。国際会議や学会など福岡県内で開催されるときに、主催者に対して、大濠公園の日本庭園へ足を延ばしていただくよう県からの働きかけを行っているのかお聞きします。 173 ◯原田公園街路課長 当部では、これまで県内での国際会議、学会等の開催に当たり、その主催者に対して大濠公園や日本庭園のPRを働きかけたことはございません。 174 ◯原中誠志委員 働きかけがないということで、大変残念に思っているとこであります。今後、私のほうからも県庁の関係各部署に働きかけをしていきたいと思います。  さて、次の質問に移ります。県営大濠公園の東隣には、福岡市が管理をする舞鶴公園があります。今年も桜が咲く季節で、毎年多くの市民が花見に来られておられます。そこでよく目にするのが、満開の桜の下で結婚式の写真の前撮りとかをやっておられます。大変ほほ笑ましい限りでありますけれども、舞鶴公園の桜も有名でありますけれども、大濠公園の南側にある日本庭園、ここも写真撮りには最高のスポットでありまして、四季折々の花が咲き、手入れの行き届いた日本庭園、落ち着いた雰囲気の中でゆっくり眺めていただける憩いの場所であります。  そこで、先ほど執行部から配付していただいた日本庭園の利用状況並びに来園者数と写真撮りについてですけれども、その資料を基に質問をさせていただきたいと思います。  そこで、まずこの資料について簡潔に御説明いただくとともに、併せて、ブライダル会社等に対して写真撮影等のPRを行い、日本庭園のさらなる活用を図るべきだと考えますけれども、説明と併せてお答えをいただきたいと思います。 175 ◯原田公園街路課長 資料の説明をさせていただきます。この資料は、日本庭園の利用状況を示したものです。まず、直近十年の来園者数の推移について、日本人と外国人の割合も分かるように掲載しております。  来園者数は、平成二十三年度からおおむね増加を続けておりましたが、令和二年度の来園者数は、新型コロナウイルス感染症の影響により今年二月末までで約二万九千人と、前年度の約四三%となっております。  次に、日本庭園における写真撮影件数についてですが、直近五年分を掲載しております。日本庭園においては、結婚式の前撮りなどの撮影が毎年度五百件以上行われており、今年度も例年どおり利用していただいております。このような撮影は、利用された方から御好評いただいており、日本庭園の魅力の情報発信につながることから、今後も公園のホームページに写真撮影の御案内、日本庭園の見どころなどを掲載してPRを続けてまいります。 176 ◯原中誠志委員 日本庭園の横には和風茶屋というのも今回造っていただいたところでありまして、コラボして、これからさらにまた大濠公園の活用を図っていただきたいと思います。  それで、これまで質疑応答してまいりましたけれども、大濠公園の活用といいましても、所管の部署が幾つか分かれております。大濠公園と日本庭園は建築都市部の公園街路課、能楽堂は人づくり・県民生活部の文化振興課、さらに現在、新県立美術館の建設が進められておりまして、建設地は大濠公園南側にある福岡武道館及び日本庭園の一部を再整備した用地に決定をしております。この新県立美術館の建設の担当部署である対策室は、人づくり・県民生活部になります。  さらに、現在、福岡県と福岡市が進めておりますセントラルパーク構想でありますけれども、このセントラルパーク構想の基本計画の基になる上位計画、これは福岡県総合計画でありますけれども、この所管は企画・地域振興部の総合政策課であります。ただ、具体的にこのセントラルパーク構想の基本政策の策定をするのは、実は公園街路課ということで建築都市部ということになります。このように大濠公園の一体的活用といっても、縦割り行政の中で、それぞれ部も違う、担当の課も室も分かれている、窓口も違うというのが現状であります。  そこで、大濠公園、日本庭園、能楽堂、そして、新県立美術館、そして、セントラルパーク構想ということで、一口に大濠公園の活用といっても、先ほど述べたように縦割り行政で部が分かれていては、なかなか進捗もはかどらないという状況にあると思います。  そこで最後に、建築都市部の部長にお聞きいたします。本県には、福岡県観光推進庁内協議会がありますけれども、そういった場を活用して県庁横断的に大濠公園の一層の活用が図られるよう呼びかけをしていただきたいと思いますが、部長の決意をお聞きしたいと思います。 177 ◯仁戸田元氣副委員長 中尾建築都市部長。 178 ◯中尾建築都市部長 本県には、九つの県営都市公園がございます。県民がくつろぎ、また、まちの魅力を高め、観光客にも楽しんでもらうような公園造りを進めてまいりました。委員も御紹介いただきましたけれども、大濠公園は交通の便がよい都心にあり、豊かな水辺と緑に恵まれ、美術館や能楽堂、日本庭園など、県民が芸術文化に触れることができる公園でもあります。さらに多くの県民の皆様に親しまれ、これらの施設が十分に活用されるようにすることは重要と考えております。  このため、委員の御意見にもありましたように、例えば、福岡県観光推進庁内協議会などの場を通じまして、なお一層の大濠公園の活用が図られますよう呼びかけてまいりたいと思います。 179 ◯原中誠志委員 残念ながら、部長は今年三月末で御退職ということでありますけれども、今、決意を述べていただきましたので、しっかりと新しい部長にも引き継いでいただきますように要望申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 180 ◯仁戸田元氣副委員長 ほかに質疑はありませんか。二宮眞盛委員。 181 ◯二宮眞盛委員 公明党、二宮眞盛です。  それでは、橋梁等のPCB対策についてお伺いをいたします。  私は、平成三十年二月定例会の代表質問で、橋梁等のPCB、鉛対策について質問しました。その際、確認をさせていただきましたが、道路橋に含まれる低濃度PCBの処理は、ストックホルム条約の期限ですとか、あるいはPCB特別措置法の期限、二〇二七年でありますけれども、その前までに完了するということを確認させていただきました。  まず一点目ですけれども、その際、本県の管理する橋梁の中で、塗装塗料にPCB、鉛等の有害物質の含有の可能性のある橋について伺い、本県が管理をする道路橋五千六十一橋のうち約百三十橋程度に有害物質が含まれる可能性があると答弁をいただきました。塗膜がPCB汚染物であるか否かを判断する含有基準〇・五ミリグラム・パー・キログラムが、平成三十一年三月に低濃度ポリ塩化ビフェニル汚染物の該当性判断基準についてで示されました。この判断基準を踏まえて、塗装塗料にPCBを含有するものは何橋、県内にあるのかお聞きしたいと思います。 182 ◯仁戸田元氣副委員長 佐野道路維持課長。 183 ◯佐野道路維持課長 PCBを含有する可能性があります県管理の道路橋百二十一橋と横断歩道橋四十八橋の合計百六十九橋につきまして、令和元年度までに塗装の成分調査を行いました。その結果、道路橋二十橋と横断歩道橋二橋で基準値以上のPCBが確認されました。 184 ◯二宮眞盛委員 PCBが含まれておる可能性のあるのが二十二橋という答弁を今いただきましたけれども、PCB特別措置法に定められた期限内の処理は問題ないとは思いますが、橋梁などの鋼構造物のPCBの処理におよそ何年ぐらいかかると計画されているか、お聞きしたいと思います。 185 ◯佐野道路維持課長 PCBの含有が確認されました二十二橋のうち、令和二年度までに四橋のPCB対策が完了いたしました。残りの橋梁につきましては、計画的にPCB対策を進めて、法期限である令和八年度までに完了する予定でございます。 186 ◯二宮眞盛委員 環境省による高濃度ポリ塩化ビフェニル含有塗膜の調査において、JESCO北九州エリアでは、二〇一九年九月末までが調査期間でした。調査対象の一つとして橋梁や横断歩道橋がありますが、これらにおいては使用されていても低濃度のものが多いようでありますけれども、高濃度のものも一部存在するとの報告があります。本県内の橋梁で、この高濃度の橋梁というものは存在をしますか。 187 ◯佐野道路維持課長 塗装の成分調査の結果、PCBの含有が確認された県管理の二十二橋におきまして、高濃度とされる含有量一〇%を超えるPCBが検出された橋梁はありませんでした。 188 ◯二宮眞盛委員 それでは、橋梁等のPCB特別措置法に対する本県内自治体の状況をどのように把握されているのか、お聞きしたいと思います。 189 ◯佐野道路維持課長 本県が把握しているところでは、県内の六十市町村が管理する道路橋と横断歩道橋におきまして、塗装の成分調査に着手している自治体は二十八団体、未着手は十一団体、調査対象の橋梁を有していない自治体は二十一団体であります。 190 ◯二宮眞盛委員 今、私が申し上げましたように、実際にはもうこの調査期間は終わっているわけですけれども、未着手の十一団体、これはどうするのでしょうか。何か情報は得ておられますでしょうか。  それと、県がPCB対策を進めて、令和八年に完了するというお話でありますけれども、県には管理責任はないにしろ、県全体の橋梁のPCB対策はどうなるのかということを考えたら、非常に私は心配です。こういったことをやはり一度、課長、調査をすべきではないかなと思うのですけれども、もし答弁ができればお願いできればと思います。 191 ◯佐野道路維持課長 令和二年六月時点で本県が把握しているところでは、県内の六十自治体のうち八団体で土木技術職員がいない状況でございます。そういうことも調査が遅れている原因の一つとなっておりますので、その辺につきましては今後詳細に調査をしてまいりたいと考えております。 192 ◯二宮眞盛委員 調査をぜひやはりしていただきたいなと思います。繰り返しになりますけれども、管理責任というのは当然県にはないのかもしれません。ですけれども、このPCBの有害性、ポリ塩化ビフェニルというのは発がん作用がある、こういうことは十分に分かっている話でありますので、その辺のことをやっぱりしっかりとですね。どこに頼みようもないものですから、県にその調査を依頼するしかないのかなとも思います。  今、少し触れられましたけれども、総務省によると、全国で土木職員がいない自治体が全体の約三割に当たる四百五十団体と聞いております。本県内自治体の状況についてどのように把握をされているのか、お聞きしたいと思います。 193 ◯佐野道路維持課長 先ほども御答弁申し上げましたが、令和二年六月時点で本県が把握しているところでは、県内六十自治体のうち八団体で土木技術職員がいないという状況でございます。 194 ◯二宮眞盛委員 この土木系の技術職員が少ない団体が八団体というお話がございましたけれども、橋梁のPCB対策などの自治体への支援策は県としてどのようなことを考えられているのか、お聞きしたいと思います。 195 ◯佐野道路維持課長 県では、県が主催いたします市町村道路研修会や国、県、市町村で構成いたします福岡県道路メンテナンス会議におきまして、PCBに関する法律やPCBを含む塗装の除去工法及び県の取組状況などを説明し、PCB対策の促進を図っているところでございます。  また、市町村の技術者不足の支援としまして、市町村が着実に道路施設の点検や補修などを実施できるよう、福岡県建設技術情報センターと協力して技術講習会を開催しているところでございます。      〔正副委員長交代〕 196 ◯二宮眞盛委員 それでは、次の質問に行きたいと思います。令和二年度における建設業の安全衛生対策の推進についてとして、厚生労働省から昨年三月に通達が出されています。有害物質の有無等により工事に要する安全衛生経費が大きく変わることから、安全衛生経費の積算に必要な対応を行うことが求められています。この点に関し、県の対応と説明を求めたいと思います。 197 ◯栗原 渉委員長 吉武技術調査室長。 198 ◯吉武技術調査室長 県土整備部発注の橋梁塗り替え塗装工事におきましては、PCBなどの有害物質を含有します塗装の剥離やかき落とし作業におけます暴露防止対策や呼吸用保護具等に要する費用を適切に計上することとしておりまして、現場作業員の健康障がいの防止に努めているとこでございます。 199 ◯二宮眞盛委員 私もこういった工事に携わる人の話を聞いておりますときに、やはりかなり危うい、そういう健康管理というものが完璧にできていない、そういう状況もお聞きしたりもしております。これはやはり監督する立場にあります県がしっかりと手綱を締めて、いわゆる建設作業員の皆さんの健康管理というものも同時に図っていただきたいということを重ねて要望をさせていただきたいと思います。  最後になりますけれども、部長にお聞きしたいのですが、老朽インフラ対策、コロナ対策費の増大、あるいは県内経済の打撃による大幅な税収減が今後予定されるわけでありますけれども、その中でインフラ整備や維持は極めて困難が予測されます。さりとて、橋梁等のPCB対策は重要な課題であることは間違いないと思います。先ほど課長にもお話を申し上げましたけれども、ぜひ一度、県内の市町村の調査も含めて対策を講じていただきたいと思います。最後に部長の決意をお伺いして終わりたいと思います。 200 ◯栗原 渉委員長 見坂県土整備部長。 201 ◯見坂県土整備部長 本県におきましては、管理する橋梁につきまして、点検結果に基づいて予防的な維持修繕を行いまして、長寿命化や、先ほど委員御指摘のとおり、財政負担がなるべく生じないような軽減を目的とする個別施設計画、こういった長期的な計画を策定し、計画的に老朽化対策を進めているところでございます。  それから、こうした中、御指摘のPCBでございますけれども、これは人の健康や生活環境に被害を生じさせるおそれがある化学物質でございまして、PCB特別措置法の規定に基づき、令和八年度の期限内に処理することが義務づけられております。こうしたことから、県では管理する橋梁のPCB対策といたしまして、これまで塗装の成分調査を行い、計画的に塗装の塗り替え工事を進めてきているところでございます。その際には、国の通知に基づきまして安全衛生対策を取り、作業中の環境汚染や作業員の健康被害の防止に努め、令和八年度末までの処理期限までに確実にPCB対策を完了させていきたいと考えております。  それから、市町村の技術者が不足している点につきましても、我々県としてできる支援をいろいろ考えながら、同じく令和八年度の処理期限までに済むようにPCB対策を進めてまいりたいと考えております。 202 ◯二宮眞盛委員 よろしくお願いします。ありがとうございました。(拍手) 203 ◯栗原 渉委員長 ほかに質疑はありませんか。永川俊彦委員。 204 ◯永川俊彦委員 緑友会の永川俊彦でございます。  通告に従いまして、令和二年七月豪雨による河川整備についてお尋ねいたします。  令和二年七月豪雨災害により、久留米市や大牟田市では、大規模な浸水、土砂崩れなどが起こり、人的被害に加え、多くの住宅が床上、床下浸水に見舞われました。また、道路、河川、農業用施設、事務所や店舗などに甚大な被害が発生し、市民生活に深刻な影響を及ぼしているところでございます。  豪雨発生から約八か月が経過し、大牟田市では、国、県、他市町村などの多くの御協力をいただきながら被災者の支援を行うとともに、ポンプ場や市営河川の災害復旧工事や河川水路のしゅんせつ等に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。  また、この間、第三者の有識者で構成される令和二年七月豪雨検証委員会において、今般の豪雨災害の経過、原因及び課題等の整理が行われ、今後の防災、減災の対策について議論をいただいております。この検証過程においては、市営河川に加え、市が管理するポンプ場や市営河川の排水先となっている県営の二級河川からも溢水や越水が発生していたことが明らかになり、本県の支援が不可欠となる提言をいただいております。この提言を踏まえ、治水対策を進める上において基幹河川となる県営二級河川の機能強化が欠かせないことから、溢水や越水が発生した二級河川の早急な整備や河川改修を行い、流域治水を推進することが必要と考えます。  そこで、幾つかお尋ね申し上げます。まずは、昨年十二月の定例議会一般質問におきまして、令和二年七月豪雨災害を踏まえた水害対策として、今後の大牟田市内の県営管理河川の整備をどのように進めていくのかをお伺いし、小川知事からは次期出水期までには河道掘削や堤防かさ上げなど、早急に実施可能な対策を行っていくとの答弁をいただきました。このことにつきましては今後どのように取り組まれていくのか、お聞かせください。 205 ◯栗原 渉委員長 喜多島河川整備課長。 206 ◯喜多島河川整備課長 昨年の浸水被害を踏まえまして、早急に河川断面を確保する河道掘削や樹木の伐採等の工事に着手しております。また、応急的な堤防かさ上げにつきましても発注準備を行っております。いずれも今年の出水期までの工事の完成を目指してまいります。 207 ◯永川俊彦委員 浸水被害の当面の対応については分かりました。本年出水期までの完成、何とぞよろしくお願い申し上げます。浸水被害のほかにも、令和二年七月豪雨により市内の公営施設に被害があっております。  そこで、県管理河川の被害状況並びに現在の復旧状況をお聞かせください。 208 ◯栗原 渉委員長 植木河川管理課長。 209 ◯植木河川管理課長 令和二年七月豪雨により、大牟田市内の県管理河川では十三か所で護岸崩壊が確認をされております。被災した箇所につきましては、昨年までに全ての箇所で国の災害査定を終えております。  現在の復旧状況ですが、十三か所のうち十一か所で工事に着手しており、残り二か所につきましても順次発注を行い、早期の復旧を目指してまいります。 210 ◯永川俊彦委員 ありがとうございました。引き続き、災害復旧については工事の完成に向け御尽力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。  次の質問に移ります。昨年八月に令和二年七月豪雨災害検証委員会が設置され、避難、救出、救助、浸水対策についての議論がなされており、本県はオブザーバーとして本委員会に参加されております。  そこで、検証委員会の開催の経緯をお聞かせください。 211 ◯喜多島河川整備課長 令和二年七月豪雨を受け、同年八月に大牟田市において、学識経験者などの第三者で構成する大牟田市令和二年七月豪雨災害検証委員会が発足され、この委員会に県からはオブザーバーとして参加しております。  委員会の開催の経緯についてでございますが、昨年八月以降、五回開催され、浸水対策の状況と課題の整理や今後の対策などについて審議が行われており、令和三年二月に提言がなされたところであります。 212 ◯永川俊彦委員 この令和二年七月豪雨災害検証委員会において、今般の豪雨災害の経過、原因及び課題等の整理が行われ、今後の防災、減災等の対策について、大牟田市に対して様々な提言が挙がっております。その中で、新聞等で報道がありましたように、ポンプの能力不足のほか、河川からの溢水、越水もあったと記憶しております。
     そこで、河川浸水の原因と対策についてどのような提言がなされたのか、お聞かせください。 213 ◯喜多島河川整備課長 河川浸水の原因と対策についての提言の内容でございますが、浸水のメカニズムや量についてシミュレーションを含めた詳細な検討が必要で、浸水対策の根幹施設であるポンプ場など、計画降雨に応じて施設を整備すべきであり、しかし、河川からの溢水、越水が確認されていることから、下水道ポンプの増強だけでは対策が不十分であるとされております。国が示す流域治水への転換を進め、河川、下水道等の管理者が主体となって行う治水対策だけでなく、集水域、河川区域、氾濫域も含めて一つの流域として捉え、その流域の関係者全員が協働して被害の減少、軽減を目指す多層的な取組を進めていくことが望ましいという提言がなされております。 214 ◯永川俊彦委員 今回の提言におきましては、各河川管理者が行う浸水対策、また、流域全体で協働していく流域治水。先ほど樋口委員の御質問の中で詳細な説明をいただきましたが、この流域治水の推進こそが今後の防災、減災対策のキーワードになるということで理解いたしました。  では、この提言を受け、県としてどのように取り組んでいかれるのか、お答えください。 215 ◯喜多島河川整備課長 浸水対策についてでございますが、県では、浸水被害発生後、大牟田市内の県管理河川におきまして浸水状況等の調査を行ってまいりました。今回の提言を踏まえまして、市営河川の管理者であります大牟田市と連携し、浸水被害軽減に向けて取り組んでまいります。  また、流域治水におきましては、これまでの河川整備に加え、水田やグラウンド等に雨水を貯留、浸透させ、河川への流出を抑制するなどの取組を示した流域治水プロジェクトを策定することとしており、そのための予算を本議会においてお願いしております。 216 ◯永川俊彦委員 令和二年七月豪雨におきましては、県内各地で甚大な被害が発生しております。このことにつきましては重々承知しているところでございますが、大牟田市におきましても過去に例を見ない甚大な災害となりました。一日でも早く市民が安心するため、先ほど御答弁いただきました浸水対策、流域治水について、大牟田市、また各自治体と連携し、しっかり取り組んでいただきますよう、重ねてお願い申し上げます。  それでは最後に、令和二年七月豪雨により四年連続で豪雨被害をもたらされた本県においての今後の河川整備の推進について、部長の御決意をお聞かせください。 217 ◯栗原 渉委員長 見坂県土整備部長。 218 ◯見坂県土整備部長 お答えを申し上げます。これまで実施してきております河川整備をこれからもしっかり取り組むと。これは当然のことではございますけれども、これに加えまして、今回、検証委員会の提言にもありますように、いわゆる流域治水対策をしっかり推進していくことが大変重要であると感じております。こうしたことから、先ほど課長が答弁しましたとおり、県管理の二級河川につきましては、流域治水プロジェクトを令和三年度末までに策定し、公表することといたしております。  今後も、こうした取組を通じまして、農林水産部や建築都市部など、県庁内の関係部局との連携はもとより、国や市町村など流域内のあらゆる関係者と一体となりまして、大牟田市内の河川も含めまして、県内の流域治水にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。 219 ◯永川俊彦委員 終わります。(拍手) 220 ◯栗原 渉委員長 この際しばらく休憩します。再開は午後三時五分といたします。    午 後 二 時 五 十 二 分 休 憩    午 後 三 時 五 分 再 開 221 ◯栗原 渉委員長 ただいまから委員会を再開します。  休憩前に引き続き議事を進めます。  第八款県土整備費について、ほかに質疑はありませんか。高瀬菜穂子委員。 222 ◯高瀬菜穂子委員 日本共産党の高瀬菜穂子です。  土砂災害対策について伺います。  近年、全国的に豪雨による災害が続いております。本県でも、二〇一七年の九州北部豪雨以来、四年連続で豪雨災害に見舞われてきました。県民の命と財産を守るために、従来の延長線ではない防災、減災の抜本的な強化が求められております。  そこで、お尋ねします。二〇〇三年(平成十五年)に公表された国土交通省の調査において、県内には土砂災害危険箇所が一万三千百五十か所あることが分かりました。そのうち保全人家五戸以上、また公共的な施設があるなど、特に整備が必要とされる箇所が五千五百七十一か所とされ、土石流、地滑り、崖崩れなどのハード対策を行うと聞いています。二〇一七年の決算特別委員会で我が会派の山口律子議員が、この五千五百七十一か所の整備について進捗状況をただしたところ、二〇一六年末現在で整備済みは九百六十五か所、整備率は一七・三%との答弁がありました。あれから四年たちますが、現時点での整備状況はどうなっていますでしょうか、お答えください。 223 ◯栗原 渉委員長 白岩砂防課長。 224 ◯白岩砂防課長 平成十一年度から十四年度までの調査に基づく土砂災害危険箇所のうち、特に整備が必要な箇所は五千五百七十一か所でありました。そのうち整備済み箇所は、令和二年三月末現在、千か所で、整備率は一八・〇%となっております。 225 ◯高瀬菜穂子委員 令和二年(二〇二〇年)三月ということですから、三年三か月間ですね。三年三か月で三十五か所の整備が進み、整備率が〇・七%伸びたことになります。一方で、この調査以降、県内でも豪雨災害が毎年のように起こっており、地滑りや崖崩れ等も頻繁に起こっています。また、宅地造成など新たな開発行為が行われ、災害が懸念される箇所も増えているのではないかと思われます。  二〇〇三年公表の調査以降、新たに危険箇所とした箇所数、そのうち特に整備が必要な箇所は何か所でしょうか。 226 ◯白岩砂防課長 土砂災害危険箇所については、平成十三年に施行された土砂災害防止法に基づく土砂災害警戒区域等の指定に移行しておりますため、平成十五年度以降、新たな調査は実施しておりません。 227 ◯高瀬菜穂子委員 新しい法ができて制度が変わったから危険箇所については調査を行っていないという御答弁ですけれども、土砂災害防止法は、ハード面より国民の生命及び財産を保護するソフト面に重点が置かれています。土砂災害の防止工事などハード面については、これまでの砂防三法──砂防法、地すべり等防止法、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づいて整備されることになると思います。  いずれにしても、いわゆる危険箇所については、県も特に整備が必要だと認めているわけですから、放置するわけにはいかないと思います。常時把握に努め、整備を進めるべきではないでしょうか。どのように進め、いつまでに整備を終える計画でしょうか。 228 ◯白岩砂防課長 ハード対策につきましては、保全対象人家の戸数や公共施設の有無、過去の災害履歴などを総合的に勘案し、順次整備を実施しております。しかしながら、ハード対策を進めるに当たり、工事に関する御理解や土地の提供等、地元の協力が必要であり、多大な費用と時間を要するものと認識しております。  そのため、早期の効果が期待できるソフト対策といたしまして、土砂災害警戒情報が発表される前に土砂災害の危険度が分かる土砂災害危険度情報をあらかじめ登録していただいた方に自動配信するなど、ソフト対策の充実に努めております。今後とも、ハード、ソフト一体となった総合的な土砂災害対策を進めてまいります。 229 ◯高瀬菜穂子委員 質問にお答えになっていないんですよね。どのように整備を進め、いつまでに終わる計画かと私お尋ねしたのですけれども、お答えがありません。ソフト対策も必要ですが、ハード面の整備を計画的に行うことは喫緊の課題であるはずです。多大な費用と時間を要することは理解できますが、計画が明確に示されないというのは問題ではないでしょうか。  質問を変えますが、この十年の本県の災害関係を除く砂防関係の予算の推移はどうなっていますでしょうか、お答えください。 230 ◯白岩砂防課長 災害関係を除く砂防関係の予算の推移は、約六十二億円から八十三億円で推移しております。直近五か年でいきますと、平成二十八年度が約六十七億円、二十九年度が約六十九億円、三十年度が約七十億円、令和元年度が約八十三億円、令和二年度も八十三億円となっております。 231 ◯高瀬菜穂子委員 御説明のとおり、この十年余りの砂防関係予算は年間およそ六十億円から七十億円で推移しています。二〇一九年(令和元年度)から二年間は国土強靱化三か年計画によるものと思われますが、約八十三億円に増額しています。先ほどの答弁では、三年三か月で三十五か所の危険箇所の整備が進んだということでした。整備率では僅かに〇・七%の伸びです。このペースだと、危険箇所の残り四千五百七十一か所の整備完了までに百三十年かかることになります。整備計画完了目標についてお答えになれない、その大本には余りにも少な過ぎる予算があるのではないでしょうか。  二〇〇九年(平成二十一年)七月の集中豪雨で県内六名の方が犠牲となりました。篠栗町では、そのうち二名が土石流にのまれ、大野城市の九州自動車道須恵パーキングエリアから太宰府インターチェンジの間では、のり面上部の山が崩落した土砂に走行中の自動車の夫婦二人がのみ込まれています。この年の土砂災害警戒区域の指定は、単年度で僅か六百七十四か所、特別警戒区域は同じく三百四十二か所にすぎませんでした。大変遅れていたわけです。当時の我が党の真島省三議員も取り上げましたが、こうした被害を受けて、翌年には単年度で警戒区域二千六百七十八か所、特別警戒区域二千四百八十七か所と大きく増やし、現在では累計で警戒区域一万七千六百七十六か所、特別警戒区域一万六千百六か所となっています。このように指定を短期間で行えた要因は何ですか。  また、土砂災害警戒区域の指定は、都道府県が土砂災害危険箇所の基礎調査を行い、指定することになっています。基礎調査と指定の進捗状況はどうなっていますか。 232 ◯白岩砂防課長 平成二十一年七月の災害を契機といたしまして、二十二年度より区域指定をする際の基礎調査を行うための予算の拡充を行いました。また、関係市町村との協議や住民説明会を円滑にするため、砂防課職員の増員を行い、短期間での区域指定を進めることができたものと考えております。  また、委員御指摘のとおり、令和三年一月三十一日時点で、土砂災害警戒区域一万七千六百七十六か所、土砂災害特別警戒区域一万六千百六か所を指定しております。また、現在では、砂防施設を整備した箇所や民間の開発工事等により地形改変が行われた箇所の基礎調査を行い、必要な指定を行っております。 233 ◯高瀬菜穂子委員 当時困難と言われた区域指定が、必要な予算と体制があれば短期間にできたということです。第二次安倍政権になって減少傾向にあった防災対策のための国の公共事業費は、相次ぐ大規模災害に手を打つ必要に迫られ、補正予算を含めると、僅かながら増加傾向になっています。  公共事業は、防災対策の重要な柱です。国に十分な予算措置を求めるとともに、県としても不要不急の大型開発事業は見直し、防災対策に重点的、優先的に配分する安心・安全の公共事業を進めていただくよう強く求めます。  本県の警戒区域についての指定は、基礎調査を経て基本的に終え、必要に応じて調査指定を行っているものと理解いたしました。土砂災害防止法により土砂災害警戒区域は市町村の義務とされ、土砂災害発生のおそれがある区域を明らかにし、警戒避難体制の整備を行うとされております。自治体は、土砂災害警戒区域内の土砂の現状監視、把握する責任を負うことになるので、ハザードマップを作成し、住民に配布するなどしております。  二〇一八年の西日本豪雨で土石流が発生し、全壊八棟、大規模半壊二棟の甚大な被害が発生した神戸市六甲山麓の篠原台では、ここはほぼ全域が土砂災害警戒区域に指定されていたのですが、約三割の世帯の住民がそのことを知らなかったと被災後の神戸新聞の調査で明らかになっています。神戸市は、ハザードマップの配布が中心で、指定の根拠などの詳しい説明を十分には行っていなかったとの指摘もあります。土砂災害警戒区域の指定そのものが目的になってはいけないと思います。  住民に警戒区域や避難勧告の意味を正しく理解してもらう啓発を進める必要があると思いますが、このことについて県は市町村に対してどのように指導、援助を行っておられるでしょうか。 234 ◯白岩砂防課長 土砂災害警戒区域等を指定する際は、市町村と共催で住民説明会を行い、住民に十分周知を図っております。また、市町村に調査結果を周知する際に、土砂災害警戒区域等の内容について詳細な説明を行っております。さらに市町村防災担当者会議を通じまして、法令についての説明や警戒避難の取組事例の紹介を行っております。 235 ◯高瀬菜穂子委員 土砂災害防止法は、多大な費用と時間を要するハード対策と併せて、住民の生命、身体を守るため、危険の周知や円滑な避難体制の整備を行うなどのソフト対策により土砂災害対策を進めていくことに目的があります。住民が知らなかったなどということはあってはならないことだと思います。引き続き啓発に努めていただきたいと思います。  土砂災害警戒区域には、開発や建築物の規制はありません。一方、土砂災害特別警戒区域に指定されれば、都道府県知事による開発の許可や建築物の構造規制などの制限があり、時に移転勧告の対象にもなります。  二〇一八年の西日本豪雨では、神戸市の篠原台や広島市の安佐北地区などのように多くの土砂災害警戒区域で被害が発生しました。開発許可や建築物の構造規制がなく宅地開発された結果でもあります。そのため、土砂災害警戒区域に宅地造成され、危険地域と住宅地が隣接する状況が増え続け、砂防ダムや擁壁などの防災が開発に追いつかない状況も全国の至るところで見受けられます。このような土砂災害警戒区域では、危険箇所の開発抑制は難しく、土砂災害特別警戒区域への見直しも必要に応じて行うべきではないかと思いますが、見解を伺います。 236 ◯白岩砂防課長 土砂災害警戒区域のうち、土砂災害が発生した場合に建築物に損壊が生じ、住民等の生命または身体に著しく被害が生じるおそれのある土地の区域については、住宅宅地分譲等の新たな開発に対する許可が必要となり、また、新たな建築や建て替えに対する構造規制が行われるといった土砂災害特別警戒区域に指定しているところです。今後も、必要な土砂災害特別警戒区域の指定に取り組んでまいります。 237 ◯高瀬菜穂子委員 私はむしろ、危険地の開発を規制するために新たな法の整備や条例の制定が必要ではないかと思います。ぜひ御検討をお願いします。  二〇一八年の西日本豪雨では、北九州市でも二百七十八か所の崖崩れが発生し、門司区奥田地区では二名の貴い命が奪われました。二次災害を引き起こさないためにも早急の対応が至るところで求められましたが、このとき問題になったのが人工崖です。人工崖が災害復旧事業の対象にならないということでした。  そこで、改めてお尋ねします。なぜ人工崖が事業対象にならないのか、御説明をお願いします。 238 ◯白岩砂防課長 人工崖が事業対象にならないのは、宅地造成などにより形成された人工崖については、その行為者の責任において対策するという考えに基づいているものです。  なお、平成三十年に二名が亡くなられた奥田地区につきましては自然崖であったことから、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業を実施し、令和二年三月に工事は完了しております。 239 ◯高瀬菜穂子委員 奥田地区の場合は自然崖だったので、国の補助事業で措置したと。人工崖は、その原因をつくった者の自己責任だと、こういうことになります。北九州市の場合、平地が少なく、人口急増に伴い、山地を開発して宅地造成が進められました。ですから、人工崖が多く存在しています。このときの豪雨災害でも、そのような傾斜地の至るところで被害が発生しています。住民は高齢化も進み、資力も限られており、自力で修復できなければ危険な状態のまま放置されることになります。原因者を特定できない場合も少なくありません。そうした崖地が崩れた場合、開発を行った原因者、所有者のみならず近隣の住宅、住民も巻き込まれ、甚大な被害を引き起こすことにもなりかねません。  被災者に対する支援は、相次ぐ甚大な自然災害の中で年々見直され、様々拡充されていっています。危険ブロック塀の撤去費用や崖崩れなどの危険がある区域内の既存の住宅を除去し、移転する住民に対し、移転費用を補助するがけ地近接等危険住宅移転事業など、人工構造物に対して行為者、原因者への公的支援を行う制度も既に存在します。国に対し、人工崖も事業対象に加えるよう、法の改正を求めるべきではありませんか。また、特に危険だと認められる場合などは、県としても予算をつけ、独自の支援策を検討していただきたいと思います。いかがでしょうか。 240 ◯白岩砂防課長 砂防事業として県独自の支援策は検討しておりませんが、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業につきましては、斜面の高さ、保全人家戸数、事業費、人工斜面対応などの採択要件の緩和を国に要望しているところでございます。 241 ◯高瀬菜穂子委員 国への要望の中に人工崖も含めているということですね。事業採択の要件緩和を国に求めていただいているということですので、その必要性を県としてもお認めになっているということだと思います。ぜひ国に強く働きかけていただきたいと思います。  また、必要性は認めるが、国がしないから何もしないでは、被害が生じたときに県の責任も問われることになると思います。人命に関わることです。県独自の支援策もぜひ検討していただくことを重ねて強く要望し、質問を終わります。(拍手) 242 ◯栗原 渉委員長 ほかに質疑はありませんか。高橋義彦委員。 243 ◯高橋義彦委員 政義会の高橋でございます。  通告に従いまして、質問いたします。皆様御承知のとおり、現在は社会状況の厳しい変化に対応すべく行政のデジタル化が推進されています。インフラ分野においても、データとデジタル技術を活用して、国民のニーズをもとに社会資本や公共サービスの変革を進めているところであります。  そこで、社会基盤施設である道路の管理についてお伺いいたします。多くの方が日常的に利用する道路については、安全かつ円滑な交通の確保のために日常的な維持管理が極めて重要であると考えますが、県は県の管理する道路の異常や損傷状況をどのように把握しているのでしょうか。 244 ◯栗原 渉委員長 佐野道路維持課長。 245 ◯佐野道路維持課長 県では、自動車や歩行者などの通行に支障が出ないように道路の異常や損傷などの把握のため、車道については交通量に応じて一日に一回から三日に一回の頻度で、歩道については人口集中状況に応じて一月に一回から二月に一回の頻度で道路巡視を行っております。あわせて、数年に一回の頻度で、道路施設の経年劣化や損傷把握のために定期点検も実施しているところでございます。  また、県庁へのメールや国が設置している道の相談室や緊急通報を利用した道路利用者などからの電話通報及び直接地域の皆様からの電話やファクスなどで情報を提供していただいているところでございます。 246 ◯高橋義彦委員 今、地域住民や道路利用者から道路に関する情報をもらっているとのことですが、提供いただいている情報は年間どのくらい件数があるのか、また、その情報について県はどのように対応しているか、教えてください。 247 ◯佐野道路維持課長 令和元年度に提供いただいた件数は、直接地域住民の皆様から電話等で寄せられた情報がおおむね三千七百件、道の相談室を通じて寄せられた情報はおおむね千六百件となっております。いただいた情報につきましては、内容を詳細に把握するため早急に現地確認を行い、必要に応じて補修などを行っているところです。 248 ◯高橋義彦委員 地域住民や道路利用者からの大変多くの通報については、そのほとんどが電話のようですが、電話では正確な場所や状況把握に時間を要すると思います。私自身も、過去に地域の方より連絡があった際に、目印等がなく場所が分かりづらい場合に右往左往した経験があります。現在の情報収集の在り方について課題はないでしょうか。 249 ◯佐野道路維持課長 通報された方と直接現地で立会いができる場合や写真や地図などの書面をいただいた場合などでは、現地の位置確認はできますが、電話のみで目標物がないなどの分かりにくい情報の場合には苦労することがございます。 250 ◯高橋義彦委員 道路の異常や損傷状況については、従来の方法ではなく、もっと効率的に収集し、有効に活用すべきと考えます。福岡県では、国で進めているデジタル技術の活用方策を踏まえ、道路の日常管理におけるデジタル化施策はないのでしょうか。 251 ◯佐野道路維持課長 道路の管理に関しましては、トンネルやアンダーパス区間のカメラによる監視やインターネットを通じた道路利用者への道路規制情報などの提供に取り組んでいるところです。また、建設現場全般になりますが、本県では、今年度から建設現場の生産性向上や慢性的な人手不足解消のために、受注業者がスマートフォンなどのカメラで撮影した現場映像を県の担当者が事務所でリアルタイムに確認できる、いわゆる遠隔臨場に取り組んでいるところでございます。 252 ◯高橋義彦委員 福岡市では、道路、河川、公園の異常に対して効率的に素早く対応するためにLINEアプリを活用した通報システムを導入しています。これは、市民が道路や河川、公園の異常について、位置、写真、コメントの通報情報を送信し、市はその情報を基に必要性や緊急性を検討して対応するシステムとのことですが、このようなシステムについて他の都道府県の導入状況を教えてください。 253 ◯佐野道路維持課長 本県で把握しているところでは、和歌山県と島根県の二県でスマートフォンアプリを活用した通報システムを導入しております。また、東京都においては令和元年から施行されているところです。なお、九州においては導入されておりません。 254 ◯高橋義彦委員 スマートフォンアプリやICT技術を使った道路通報システムは、現状で行われている地域住民などから電話や書面などによる情報提供により、その位置情報や損傷程度などの把握に正確性やスピード感を持った対応ができるのではないかと思います。福岡県でも導入したほうがいいと考えますが、どうお考えでしょうか。 255 ◯佐野道路維持課長 現在、本県では、巡視や住民などからの情報提供に加え、道の相談室からの情報提供も多く、道路異常の把握に役立っているところでございます。アプリを活用した道路通報システムについては、通報された情報を全て有効に活用するために、通報情報を国、県、市町村などの各道路管理者に振り分ける必要があり、通報情報の一元管理や関係管理者との緊密な連絡体制も必要となると考えます。  本県としましては、まずはアプリの導入に際して、このシステムの先進事例を十分把握し、その費用対効果などを検証するとともに、他県の動向を注視してまいりたいと考えております。 256 ◯高橋義彦委員 新型コロナウイルスの影響や新しい生活様式、そして人口減少が続く中で、行政におけるデジタル化は非常に重要な役割を持つと考えます。行政手続や公共サービスの在り方を見直して、ユーザーに使いやすい形でデジタル化していくことは官民双方のコストや労力の削減に寄与し、データの利活用を通じて社会的な価値も創出できます。この分野において福岡県もリーダーシップを取りながら、他県を引っ張っていくようにぜひ推進していただくことを願いまして、私の質問を終わります。(拍手) 257 ◯栗原 渉委員長 ほかに質疑はありませんか。江頭祥一委員。 258 ◯江頭祥一委員 自民党県議団の江頭祥一です。  通告に従い、水害時における県営住宅の活用について質問いたします。  本県では、近年頻発する大雨により県内各地に甚大な被害が発生しています。特に久留米市など筑後川流域の地域は、四年連続で水害に遭っています。私の地元である嘉麻市もしかりであります。各市町村では、住民が水害の危険から逃れ、命を守るために避難する施設や場所を定めており、県はそれを支援するため、県立学校の体育館などの県有施設を避難所として提供していると聞いています。県内各地には県営住宅が整備されており、多くの県民の方が生活を営んでおられますが、私は今回この県営住宅を水害時の避難施設として活用することについて質問をさせていただきます。  まず、県営住宅では、水害が発生し、または発生するおそれが高まった場合には、入居者の方々はどこに避難することになるのか。また、近年、水害が頻発する中、県営住宅ではどのような対策を行っているのか、お答えください。 259 ◯栗原 渉委員長 財津県営住宅課長。 260 ◯財津県営住宅課長 県営住宅の入居者の方々は、水害時には市町村が指定しております最寄りの避難場所に避難していただくこととなってございます。県では、県営住宅の入居者の方々に円滑かつ適切に避難していただくために、入居者向けの広報紙であります県営住宅だよりで災害時の避難場所、避難経路の確認を事前に行っていただくように周知を行っているところでございます。  また、県営住宅の建て替えの際には、低層住宅を中高層住宅に建て替えることにより、水害時には上層階に避難できるようにしたり、避難所となることもあります集会所を地盤のかさ上げをして建設したりするなどの対策を行っているところでございます。 261 ◯江頭祥一委員 近年の大雨による水害では、短時間で水かさが増し、避難する時間的余裕がない場合や夜間に避難する必要が生じる場合があり、市町村が指定する最寄りの避難場所まで移動することが困難になることも考えられます。このような状況においては、同じ建物や近隣の建物上層に避難する垂直避難が有効と考えられます。  先ほどの答弁で、県営住宅の建て替えの際には上層階に避難ができるように中高層住宅にしているということでありました。実際に久留米市内の県営住宅で垂直避難先として活用された事例があると伺っていますが、具体的にはどのようなものか御説明ください。 262 ◯財津県営住宅課長 建物の上層階を避難先として活用した県営住宅は、久留米市の筑後川と宝満川の二つの河川に囲まれた洪水浸水想定区域内に位置した団地でございます。過去の大雨のときに周辺道路が冠水いたしまして、避難場所に行けなかったことがある団地でございます。このため、団地自治会から、県営住宅の上層階の空き住戸を水害時の避難先として利用したいという要望がございました。この要望を受けまして、県としましては、当該県営住宅の管理上支障のない上層階の空き住戸を団地自治会に対しまして無償で貸して、水害が発生し、または発生するおそれがあるときには一時的な避難場所として利用していただくことといたしました。実際に、令和二年七月豪雨のときには入居者の方が当該空き住戸に避難をなされ、活用されております。 263 ◯江頭祥一委員 久留米市の事例は、水害時に床上まで浸水することが想定される区域、すなわち洪水浸水想定区域内にある県営住宅ということでしたが、そのような県営住宅はどのくらいあるのか、また、その中で垂直避難先として活用できるものはどのくらいあるのか、お答えください。 264 ◯財津県営住宅課長 床上浸水に相当する浸水の深さとしましては五十センチ以上ということが考えられますが、そのような区域に立地しております県営住宅は六十三団地ございます。上層階を一時的な避難先として活用できる三階建て以上の中高層住戸を有するものは、そのうち六十一団地でございます。 265 ◯江頭祥一委員 県営住宅を水害時の垂直避難先として活用できるのであれば、県営住宅の入居者だけでなく、近隣の住民の一時的な避難先としても活用できれば非常にいいと思います。特に高齢者の方で足腰の悪い方にとっては、大変いいことだと考えますけれども、こういった方でも活用は可能でしょうか。 266 ◯財津県営住宅課長 入居者だけではなく近隣住民も含めまして、水害時の緊急かつ一時的な避難先として県営住宅を活用することは可能でございます。  委員御指摘のとおり、近くの建物に避難ができるということであれば、特に高齢者の方にとっても大変よいものであると考えております。 267 ◯江頭祥一委員 それでは、ぜひ近隣の住民を含めて、県営住宅を水害時の一時的な避難先として活用すべきと思いますが、県はどのように考えていますか。 268 ◯財津県営住宅課長 県といたしましても、県営住宅の上層階を入居者及び近隣住民の水害時の緊急かつ一時的な避難先として活用できるようにしたいと考えております。現在、その仕組みについて検討をしているところでございます。 269 ◯江頭祥一委員 どのような仕組みを検討しているのか、お教えください。 270 ◯財津県営住宅課長 県と県営住宅を水害時の一時的な避難先として活用したいという市町村との間で協定を結び、その県営住宅を近隣住民の一時的な避難先として位置づけを行いたいと思っております。そして、市町村からその団地や近隣の自治会に対しまして、そのことを周知していただき、希望する自治会等から県に対して申出があれば、上層階の空き住戸の鍵を貸し出しまして、緊急かつ一時的な避難先として活用していただけるような仕組みを考えているところでございます。 271 ◯江頭祥一委員 県としても具体的な検討を行っているということで安心しました。本県は、毎年、大雨による水害が発生しており、これは県民の命に関わる問題であります。ぜひとも早期に、できれば今年の出水期に間に合うように仕組みづくりを進めていただきたい。県民の安全・安心を確保するため、この取組を一日も早く実現してほしいと思います。  最後に、中尾部長は今年度で退職されると聞いています。入庁から三十七年間、長きにわたり福岡県のために働いてこられた部長の思いと経験を、ぜひ次の部長をはじめ、後進の皆様に引き継いでいただきたいと思っています。今の部長の思いをお答えいただければと思います。
    272 ◯栗原 渉委員長 中尾建築都市部長。 273 ◯中尾建築都市部長 ありがとうございます。近年、大雨による水害が頻発しております。不安を抱える県民の方々も多いと考えます。県民の安全・安心を確保するための避難先の確保は非常に大事だと思います。水害時における緊急かつ一時的な避難先として県営住宅を活用することは、県民の安全・安心につながるものでございます。早期に実現をできるように進めていきたいと思います。また、市町村営住宅でも同様の取組を行うことができると思います。情報提供や助言を行うなど、市町村と連携や協力をして進めてまいりたいと思います。  私の思いということでございますけれども、今回、委員からも御質問をいただきましたが、県民の安全・安心の暮らしを支えるためには、住まいづくり、まちづくりを進めるということが大変重要だと思っております。今後ますます重要になるのではないかと思っております。また、自民党県議団の代表質問にもありましたけれども、人口減少社会を迎え、住民や企業に選ばれるような福岡県になるためにも、快適で魅力ある都市環境、そういった整備も進めていかなければならないと思っております。引き続き、県民の皆様に御理解をいただきながら、応援をしていただけるような建築都市行政を進めていきたいと思っております。  私もあと少しで退職いたしますけれども、今後も県議会の皆様方には御指導と、ぜひ御支援をよろしくお願いをいたしたいと思います。ありがとうございました。(拍手) 274 ◯江頭祥一委員 終わります。(拍手) 275 ◯栗原 渉委員長 ほかに質疑はありませんか。      〔「なし」と呼ぶ者がある〕 276 ◯栗原 渉委員長 ないようですので、以上で第八款県土整備費に関する質疑を終わります。  以上で本日の議事を終了いたします。  なお、明日十八日木曜日の委員会は午前十一時に開き、歳出第九款警察費から第十四款予備費までの審査及び第二条債務負担行為から第五条歳出予算の流用までの審査、並びに第三号議案から第二十一号議案までの特別会計及び企業会計の審査を行う予定でありますので、よろしくお願いいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午 後 三 時 四 十 三 分 散 会 Copyright © Fukuoka Prefecture All Rights Reserved. ↑ ページの先頭へ...